アルピーヌのピエール・ガスリーは、マクラーレンの目覚ましい好転をうらやむことはなく、むしろチームの主要なライバルが成し遂げた並外れた功績を称賛しているという。
2023年シーズンを前に立てた作戦により、アルピーヌはF1コンストラクターズ選手権を4位でフィニッシュし、トップ3チームとの差を縮めることを求められていた。しかしチームは最初からそうした期待に応えるのに苦戦し、まずアストンマーティンの予想外の強さに、そして次にマクラーレンに屈することになった。
マクラーレンは開発が不十分な状態で、劣勢の立場でシーズンをスタートした。しかしオーストリアで開始された3段階のアップグレードプログラムによりMCL60のパフォーマンスは大幅に向上し、マクラーレンは1年の後半にアルピーヌとアストンマーティンの両方を圧倒した。アルピーヌのレースにおける表彰台は、モナコでエステバン・オコン、ザントフォールトでガスリーが獲得した2回で、チームはマクラーレンに182ポイント差をつけられて総合6位でシーズンを終えた。
マクラーレンの目覚ましい上昇は、すべての中団チームを評価する際の基準となり、ガスリーはマクラーレンを称賛するのみだ。
「うらやんではいないし、『なんてことだ、彼らは本当にいい仕事をした』とは思っていない」とガスリーは語った。
「『彼らがやってのけたのだから、それは可能なことなんだ』と僕は思う。フェアプレーだったし、彼らの行った仕事は見事だ」
「中団から抜け出すことは可能だ。彼らがそうしたのだから、なぜ僕たちにできないことがあるだろう？ 僕の父はよく『2本の腕、2本の脚、そして両手と両足があるのだから、できるだろう』と言ったものだ。やってみるんだ」
ガスリーは、2023年のアルピーヌの不振はさまざまな理由に根ざしていると認めた。しかし彼は、たとえ相対的に目に見える形ではなくとも、チームは1年を通じて大きく進歩したと主張している。チームの結果不足について、ガスリーは「多くのさまざまな理由がある」と説明した。
「僕たちが改善したこともある……。チームに加入したときのリストを調べていた。対応が必要だと思ったことがどれだけあったかということだ。膨大なリストがあった」
「またリストを調べたけれど、『これは済んでいる、これも済んでいる』という感じで、本当に多くの面で僕たちは改善した。でもそのことは、他のチームも取り組みと改善をどれだけ行っているかということを示している。それには苛立ちを覚える。僕たちは正しい方向へ向かっていると思うからだ」
「でも他のチームは、おそらく急激にステップを踏んでよりうまくやったのだろう」
「結局のところ、できる限り改善しようとすることはできるが、改善を有効に活かすマシンがなければ今のペースで行き詰まることになる。だから僕たちにできる最善のことは、チャンスが来た時にそれを活かすことだ。チームとして僕たちはかなりうまくそうしてきたけれど、あとは最初からより速さのあるマシンが必要なだけだ。そしてマシンをコース上で活かすことができれば、準備は整うだろう」
