「失われた信頼の回復は並大抵では難しい」 池田佳隆容疑者(57)逮捕で地元県連会長が会見【会見全文】

自民党の派閥が政治資金パーティーの収入の一部を裏金化したとされる事件で、東京地検特捜部が1月7日、愛知3区が地盤で比例・東海ブロック選出の安倍派の衆議院議員、池田佳隆容疑者(57)と、政策秘書の柿沼和宏容疑者(45)を、政治資金規正法違反の疑いで逮捕しました。

この事件を受けて自民党は、7日付けで池田容疑者を除名処分にしました。

また、地元の愛知県連の丹羽秀樹会長(衆議院議員)と、須﨑幹幹事長(愛知県議会議員)が7日、名古屋市内で緊急会見を開きました。

(自民党愛知県連 丹羽秀樹会長)
急きょ、県連の会見にお集まりいただきありがとうございます。
本日、池田衆院議員・元(愛知)3区支部長の逮捕により、多くのみなさまに多大なご心配とご迷惑かけたこと、心よりお詫び申し上げます。
県連としても、今後「政治と金」の信頼回復に向けて全力で今後取り組んでいく所存。

「姿見せないのは 国会議員としてあるまじき行為」

今般の池田議員の逮捕について、県連としては非常に残念な思い。
現在、逮捕の事由や詳細なことはわからないのでコメントなどは控える。
事実とするならば大変ゆゆしき事態と考える。
出処進退は自らが判断してもらいたいという思い。
池田議員については、これまでも姿を見せずに説明しなかったことは国会議員としてあるまじき行為と考える。

悪いことをしたから説明できなかったと思われても当然仕方がない。
普通はまず離党、議員辞職が当然だが、まずは池田議員の自身の出処進退の推移を見極めながら、県連も今後の取り組みを進める。

年末に池田議員から電話「時機が来たら話したい」

【記者との質疑応答】
Q池田議員と最後に連絡がとれたのはいつ?

(丹羽会長)
暮れのさしせまった年末に電話があった。池田議員の方から。それまでも私から連絡したが、つながったのは年末暮れの迫った頃。その時も体調はあまり芳しくないような様子。

Q池田議員からはどういった言葉が?

(丹羽会長)
本人からは「いろいろとご迷惑をかけていて申し訳ない」と。事由が事由だけに話せる内容も限られているので、「今後、自分も時機が来たら話したい」という話はあった。

Q3区の支部長は?県連としてどう対応?

(丹羽会長)
現在3区はこれで池田議員が除名になったので空白区に。県連としても地域の3区支部の公職者のみなさんの意見を聞きながら、新たな候補者選定に向けて取り組む所存。

Q(連絡が)暮れにさしせまったというのはいつ頃?

(丹羽会長)
12月27日か28日だったと記憶。

Qそれ以前は?そのときも体調悪いと?

(丹羽会長)
国会が閉じる前に、私が議運筆頭理事で内閣不信任案が出されたので池田議員に、最終だったので「国会に来て、態度表明したらどうか」と助言したが、そのときは当時「体調不良で行けない」という話だった。そうこうするうちに国会が終わり、
その後2、3度連絡したが連絡がつかない中での、先ほどの暮れの連絡。

Qその時に会長から助言は?

(丹羽会長)
「議員として最後、説明責任果たしたらどうか」と話した。

Q「時機がきたら」と?

(丹羽会長)
そうですね。

質疑応答 全文掲載「想像しうる使い道は?」

Q4800万円収支報告書に記載がなかったということで、想像しうる使い道は?今後、県連として政治資金パーティーはどうしていく?

(丹羽会長)
池田議員本人が受け取った額が4800万というのは実際そうか、帳簿を見ていないのでわからないが、非常に多大な額。我々政治家として、その額が帳簿に載らずに動いていたのが非常に不思議な思い。

いかに本人が活用したかは本人しかわからない。推測の域を出ないが、普通ならその額が政治活動で使われるような額ではなかったのかなと推察。今後、党本部で新たにことしから政治改革刷新本部ができた。私自身もかつて派閥に所属していたが、議員だけで決めるのではなく、個人的な話だが、第三者の外部の意見を聞いてやっていくことのほうが、今後より一層政治資金に対する不透明さを明るくするため必要と考える。

Q有権者から落胆や心配の声も。会長に厳しい声届いている?信頼をどう回復?

(丹羽会長)
今般失われた信頼を回復させるのは並大抵では難しい。もし簡単に回復できると考える議員がいたら「まったく違う」と思う。日常活動をはじめ「政治と金」に対する国民や有権者の不満などに対してより一層真摯に向きあっていく。罰則も含めて法改正を厳しくしていかなければならないのではないかと考える。

Q暮れの連絡以外、本人から連絡はそれまでなかった?

(丹羽会長)
池田氏本人から電話があったのは暮れの一本。

Q県連に対し手紙などは?

(須﨑幹幹事長)
ないです。

Q信頼回復に向けて県連では?

(丹羽会長)
県連としても政治資金の提出報告があるので、各議員の再度見直しによる。非常にマンパワーが必要になるが、そういったことを時間をかけて、不透明な部分がないかチェックしなければというのは考えている。

「お金にも非常に厳しくまじめで情熱ある男。今となっては…」

Q2人はこれまで池田議員と政治活動をしてきたと思うが、池田議員の性格や人間性は?

(丹羽会長)
今となっては逮捕された人なのでどのように聞こえるかわからないが、当時付き合っている最中は誠実な人なのかなという思い。まさかこのようなことになるとはびっくり。

(須﨑幹事長)
私も同様。私は3区・天白区で県議をしている。(池田容疑者は)お金にも非常に厳しくまじめで情熱ある男。「今となっては」というところ。

Q「配った」という報道も。事実確認は?

(丹羽会長)
池田さんの選挙区の地方議員に?(はい)私もどう使われたか表に出ていない中、疑ってかかるわけにはいかないので、捜査状況を見守るしかない。

Q須﨑さんは「もらった事実はない」という認識でいいか?

(須﨑幹事長)
はい、断言する。

QCBCの取材で「連絡が取れていない」と。その後は?

(須崎幹事長)
まったくございません。きょうもございませんでした。つながらない。

Q連絡の時、池田議員はどこにいると言っていた?

(丹羽会長)
東京にいると言っていたと思う。宿舎なのかと思うが。ホテルに泊まる必要は特にないのではと思うが。

Q(池田容疑者は)愛知には問題発覚後、一切顔を出していない?

(丹羽会長)
地元活動は存じ上げていないが、愛知県内で問題発覚後、池田議員本人の姿を見ることはなかった。先ほどのCBCの話ですが、池田議員が一部報道で「地方議員に配った」と話があるかもしれないが、自民党愛知県連としてはそういうことがないことを大前提に考えている。実際にあったら非常に残念なこと。

Q愛知県連として調べる予定はない?

(丹羽会長)
みんな「もらっていない」というのは言う。「実はもらっていた」と言う人もいないと思うが。実際にお金の動きがわかるような流れであれば我々も調べることができると思うが、表に出ていないお金だから、それを県連として帳簿の上で調べることは不可能。

Q柿沼秘書と池田議員の関係は?いつごろから秘書を?

(須﨑幹事長)
柿沼秘書は池田さんが立候補当時から今に至るまで。最初は私設秘書から。池田事務所の中で資格を取って政策秘書で今いるのでは。

Q元々のつながりは?

(須﨑幹事長)
どういうきっかけでご縁があったかというのは存じ上げない。

Q池田議員は自民党除名。県連内での扱いは?

(丹羽会長)
実際は逮捕前には本来、党本部から離党勧告が出される。今回の池田議員に関してもそういうことはなされたと思うが、当人から連絡なく逮捕されたので除名処分になったと推測される。県連としても党本部が除名した人を県連在籍ということはありえないので、県連としても党本部除名時点で所属していないと捉えている。

Q3区の支部長は解任?変わった?

(丹羽会長)
元3区支部長になる。

Q県連として解任というより除名?

(丹羽会長)
除名になった時点で県連の役職、党の役職などはすべて外れる。

Q調査などは難しいが?

(丹羽会長)
池田議員の調査は検察に任せる。県連としては当該第3選挙区支部内の公職者についてはヒアリング等を改めてしなければいけないのかな、と考えている。

Q3区支部長は解任されているという認識?

(丹羽会長)
そうですね、党本部除名時点で解任。

Q3区支部内の公職者に、県連として改めてヒアリングする予定?

(丹羽会長)
そうですね。

Q国会議員にも安倍派はいるし、一部本人が不記載認めている人も。その人への県連の聞き取りは?

(丹羽会長)
キックバックというのか還流資金であれば、安倍派のやり方がわからないが、帳簿に載っていないので当人に聞くしかない。当人が捜査対象になっている場合は我々もヒアリング等する事はできないので難しいと考える。いずれにしても捜査の状況が明らかになった時点で、県連としても疑いのある議員などについてはけじめや対処をしないといけないと思っている。

Q今は3区内の議員を最初に?

(丹羽会長)
ということですね。

Q3区の人にヒアリングというのは、池田議員に関与した事実がなかったかについて?

(丹羽会長)
ということ。

(丹羽会長)
お忙しい中、集まっていただきありがとうございました。
自民党愛知県連としても非常に残念で、あってはならないことが起きてしまったということを痛切に思う。

この「政治と金」の問題は愛知だけでなく全国的に影響ある課題。県連としては今後このようなことが二度と起きないよう対応していく。その対応の仕方は今後、県連で話し合って決めていかなければいけないと思っている。

選挙にとっても厳しいと受け止めた中で、議員1人1人の活動を見て有権者に判断いただけることを期待すると同時に、信頼回復に向けた取り組みをより一層進めていかなければ自民党は立ち上がれない。

今後、県連としてもこのようなことがないよう、より一層気を引き締めていきたい。

みなさまにご心配ご迷惑をかけ、誠に申し訳ありませんでした。

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