し尿くみ取り料金を引き上げ 和歌山・田辺市で4月から、収集費用高騰で

田辺市役所(和歌山県田辺市)

 和歌山県田辺市し尿収集運搬料金等協議会(会長=野村悠一郎・田辺町内会連合会長)は市役所で全体会を開き、市内全域のし尿くみ取り料金や浄化槽清掃料金を引き上げることを承認した。実施は4月1日から。

 改定後のし尿くみ取り料金(18リットル、税込み)は、旧田辺242円▽龍神264円▽大塔(三川・富里除く)253円、三川・富里264円▽中辺路(近露・野中除く)258円、近露・野中264円▽本宮264円。

 旧料金との差額は20~34円。ただし、大塔地域と中辺路地域については富田川衛生施設組合の差額負担制度があるため、実際に払う料金は18リットル当たり242円となる。

 市では、合併前の旧市町村ごとに料金が異なる。料金は本来、業者が自由に決めるが、し尿収集は市民生活に密接に関わる公共性が高い事業のため、料金について住民代表や業者らが話し合う協議会を設けている。

 市内全域の許可業者(12業者)が2023年5~6月、「車両購入価格や修繕費などあらゆる分野において値上げされ、し尿の収集にかかる費用が著しく増加している」などとして、料金改定の要望書を提出。各地域の部会で協議を重ねた上で改定に合意し、全体会に諮った。

 旧田辺市と龍神地域で収集したし尿は市内、大塔地域と中辺路地域は白浜町、本宮地域は新宮市の各施設で処理している。

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