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「初めて乗った瞬間、びっくりしました。まずウォームアップ性がいい。え?こんなにすぐ暖まっちゃうの?ウォーマーかけてたっけ?って」と原田哲也さんが言えば
「そうそう、それとウェットグリップ。イジワルに設定されてたよね、あの水路。そこでブレーキングしてもちゃんと停まる。なんで?って感じだった」とは岡田忠之さん。
ふたりはMICHELINタイヤのアンバサダー。であると同時に、日本レース界のレジェンドでもある。
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MICHELINタイヤのアンバサダーの岡田忠之さん(左)と原田哲也さん(右)。全日本ロードレース選手権でチャンピオンを争ったライバルであり、1993年から参戦することになった世界選手権でも二人の戦いは続いた。
2024年春に発売が予定されている「POWER 6」と「POWER GP2」は、MICHELINがずっと目指している「オートバイを意のままに扱えるようになるタイヤ」を、さらに一歩進めたタイヤだ。
「POWER 6」は「POWER 5」の、「POWER GP2」は「POWER GP」の後継モデル。当然のように、タイヤに求められる5要素といわれるドライグリップ/ウェットグリップ/ウォームアップ/ハンドリング/ロングライフすべてのパフォーマンスアップを果たしている。
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具体的にそれぞれのタイヤはどう進化したのか? タイヤ試乗会で実際に走ったインプレを紹介していこう。
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低温時でもグリップするから 冬の早朝ツーリングでも安心!
ストリート向けスポーツタイヤ【MICHELIN POWER 6】
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最初に試乗したのはPOWER 6。ポジショニングとしてはストリート向けスポーツタイヤ。開発のメインテーマはドライ&ウェット路面での安定したハンドリングをメインに、ウェットグリップ性を高め、高速安定性をあげているという。
試乗して驚いたのは、まずは低気温時のウォームアップ性だった。テストの日、試乗開始時刻は気温が10度を下回るコンディションで、走り出しには注意が必要な状況。通常ならば、低気温時に走り出すと、タイヤが硬い、表面が路面をフォローしていない不安さを感じるものだけれど、POWER 6はものの数分でグリップが感じられ、タイヤ用語でいう「フィーリングがある」状態まで持ち上がってくれた。
ストリート向けスポーツタイヤというと、たとえば冬の早朝にでもツーリングに出かけることがあるから、この暖まり性は実際の使う用途をきちんと想定した特性なのだと言える。
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ワインディングを想定したテストコースでは、徐々にバンク角を増やしていくものの、すぐにフルバンクまで持ち込むことができる。ハンドリングの特性はクイックに動くというより、しっとりとした安定性のあるもので、直進状態は軽い手応えがあり、ハーフバンクからバンク角を深く取っていくと、バイクが安定していることがよくわかった。
直進状態の軽さはスピードが乗って行くにつれてタイヤの剛性が感じられて、カチッとした安心感がある。この「スピードによってフィーリングがかわる」というのも、高性能タイヤのキャラクターだろう。
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さらに驚いたのはウェットグリップで、コースに設定されたウェットコースでのブレーキングではバイクの直立状態をきちんと維持できて短時間で止まることができたし、スラロームでも不安なくバイクを切り返すことができた。特にブレーキでは、何度かトライするうちに、躊躇なくABSが作動するまでブレーキングできた――こんな体験、初めてのことだった!
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MICHELIN POWER 6
サイズラインナップ
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POWER 6フロントリヤ110/70ZR17(54W)140/70ZR17(66W)120/70ZR17(58W)150/60ZR17(66W)160/60ZR17(69W)180/55ZR17(73W)190/50ZR17(73W)190/55ZR17(75W)200/55ZR17(78W)240/45ZR17(82W)## ウェット路面でも高い安定感
ハイグリップスポーツタイヤ【MICHELIN POWER GP2】
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次にPOWER GP2をテストしてみる。POWER GP2はハイグリップスポーツタイヤで、スポーツランはもちろん、サーキット走行まで想定されたモデルだ。前モデルのパワーGPからドライ&ウェットグリップを高め、ハンドリングを向上、ライフも伸ばしたという。
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まずはPOWER 6同様、タイヤの暖まりの良さに感心したが、これは前モデルのパワーGPからの変わらない特徴とのこと。やはり注目はドライグリップだということだったが、それよりも私はウェット路面でのグリップに驚くことになった。
このPOWER GP2、サーキットランでの使用も考えて、表面に溝の少ない、まるでセミスリックのようなタイヤパターンを採用しているだけに、特にウェット路面での不安があったものの、POWER 6と同じく、ブレーキングでの安定感が高く、スラロームではPOWER 6よりももっと思い切って切り返しをしても不安を感じなかった! もちろん、走行慣れがあるかもしれないけれど、見るからに排水性は高くなさそうなパターンでこの不安のなさはスゴい!
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さらにドライグリップでは、POWER 6よりも明らかに「曲がる」特性がハッキリとわかる。テストしたのはCBR400R、GSX-S750だったが、特にCBR400Rは、ノーマル状態でさしてスポーツランを重視した設定でもないのに、バンク角を深く取ってぐいぐい曲がっていく特性が強調されていた。GSX-S750も、ノーマルは素性のいいストリートスポーツの印象が、俊敏なハンドリングになって、フルバンクの安定感も高い――そんなスーパースポーツ的ハンドリングになっていたのだ。
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MICHELIN POWER GP2
サイズラインナップ
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POWER GP2フロントリヤ120/70ZR17(58W)160/60ZR17(69W)180/55ZR17(73W)190/50ZR17(73W)190/55ZR17(75W)200/55ZR17(78W)## 「タイヤはバイクのキャラクターを左右する重要なパーツ」
原田さん、岡田さんがMICHELINを絶賛する理由
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今回、250ccの単気筒から900ccの4気筒まで数機種をテストすることができたが、POWER GP2は車重が軽い車両の方が効果を感じられた。車両メーカーによってタイヤのフィーリングも違い、ノーマルでは少し切れ込みがちなヤマハMT-09がPOWER 6でしっとりとした手応えになったり、ノーマルでは安定性を大きく取っていたGSX-S750がPOWER GP2で俊敏さを増したり、タイヤの重要性をはっきり感じられたのだ。
どちらのタイヤにも共通して言えることは、1日たっぷりテストをした後も、タイヤの表面がきれいだったこと。目視で摩耗があったり、アブレーションと呼ばれるしわが表面にほぼなく、かなりのロングライフをうかがわせた。性能を長期間安定させて、それでいてロングライフということも、また高性能タイヤの絶対条件なのだ。
「MICHELINのタイヤって、国産製品に比べてちょっと高価なイメージがありますよね。でも、そこを節約して転倒しちゃったり、タイヤ交換のサイクルが短かったら意味はないでしょう。僕はいつも、バイクのカスタムについて『最初にタイヤ交換!』って言ってるんだけれど、いいタイヤにするだけでハンドリングがよくなってスポーツランが楽しくなって、安全でロングライフ、ってところまで考えてタイヤを選んでほしいと思う」とは原田哲也さん。
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1993年にロードレース世界選手権のGP250へ参戦すると、そのデビューイヤーでチャンピオンを獲得した原田さん。レースの潮目を見極め、ここぞいう時に勝負を仕掛ける冷静沈着な走りからクールデビルと呼ばれていた。
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「僕はタイヤをいつも自分仕様にしたいと考えるんです。自分が乗るバイクと乗る用途、走る季節によって、タイヤの空気圧を管理したい、ってこと。でも、きちんと空気圧管理をしても、なかなか変化が分かりにくいタイヤもあるんだけれど、MICHELINはそこが大きな特徴だと思う。今回もバイクによっては良さが出ていないな、と感じるケースがあったんだけど、空気圧を変えたらすごくフィーリングが変わるんです。これって、いいタイヤの条件だと思う」と岡田忠之さん。
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ロードレース世界選手権の最高峰クラス(GP500)で、日本人選手として最多勝利記録を持つ岡田さん。現在では世界のトップカテゴリーで活躍する後進の育成のため「ホンダ・レーシング・スクール・鈴鹿(HRS)」のMotoクラスでプリンシパルを務めている。
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ドライグリップ/ウェットグリップ/ウォームアップ/ハンドリング/ロングライフという評価項目を上げるのはもちろん、タイヤを変えることで安心感、カッコよさ、バイクを大事にする心まで芽生えるものだ。それもまた、いいタイヤの条件なのだと思う。
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