マリナーズ・ディポート編成本部長 ロビー・レイ放出の狙いを説明

マリナーズはトミー・ジョン手術のリハビリ中の左腕ロビー・レイをジャイアンツへトレードするという意外な動きに出た。対価としてミッチ・ハニガーとアンソニー・ディスクラファーニを獲得しており、2024年の年俸だけを見れば、金銭的には釣り合いの取れたトレードだったと言えるかもしれない。しかし、もちろんジェリー・ディポート編成本部長は今季のことだけを考えてトレードを敢行したわけではない。近年は投手への投資が目立っていたため、「投打のペイロールのバランスを取りたい」という狙いがあったようだ。

ディポート編成本部長は「ロースターを眺めたときに、今オフを迎えるにあたって重要だったことの1つは、ペイロールの振り分けを再分配することだった」とコメント。「ペイロールの総額はそれほど大きく変えていないが、投手に偏りすぎないようにしたいと考えていた」と語り、5年1億1500万ドルの大型契約をあと3年残しているレイを放出した理由を説明した。

また、マルコ・ゴンザレスを放出したことで薄くなった投手層をカバーしたいという狙いもあったようだ。レイはトミー・ジョン手術のリハビリ中であり、復帰できるのは夏場になる見込み。それならば開幕から投げられるディスクラファーニのほうが役に立つ、という思惑があったとみられる。若手の台頭によって先発ローテーションの頭数は揃っており、レイがいなくても困らないというチーム状況もレイの放出を後押ししたのだろう。

さらに、テオスカー・ヘルナンデスとエウヘニオ・スアレスの退団で手薄になった右のパワーヒッターを補充したいという狙いもあったようだ。ハニガーは2017年から2022年までマリナーズに所属していた選手であり、チームのことも熟知している。戦力としてはもちろんのこと、クラブハウスのリーダーとしても期待は大きい。

投手陣の充実ぶりに比べると、打線の弱さが目立つマリナーズ。ペイロールの増額が見込めない以上、投手にかける予算を減らし、その分を打者に回すという形を取らざるを得ないというわけだ。契約が3年残っていたレイを放出したことで来季以降のペイロールには余裕が生まれたため、次のオフシーズンには大物野手の獲得に乗り出すことになるかもしれない。

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