「シングル・イン・ソウル」イ・ドンウク“家事はとても大変だけど掃除や洗濯は得意”

写真=ロッテエンターテインメント

――公開を待つ気分はいかがですか?

イ・ドンウク:久しぶりに映画を撮りました。ワクワクしますし、緊張もちょっとしています。どのように観てくださるか少し心配もしています。

――試写会の後、好評が溢れていますが、それについてはいかがですか?

イ・ドンウク:観客の評価がどうなのかまだ分からず、体感できることはまだないんです。でも周りから「映画、面白いんだって?」と聞かれました。反応が悪くないようで嬉しいです。ロマンスジャンルというのは、結末が決まっているじゃないですか。それをどうやってありきたりに見せるのではなく、新鮮な楽しさを届けることができるかというところがカギになると思います。慣れたものの中から共感を引き出すことが本当に重要なジャンルだと思いますが、そういった部分を評価してくださったようです。観客の評価がどうなるかは、公開されてから分かると思います。

――ロマンスジャンルのこの作品を選んだ理由が気になります。

イ・ドンウク:この作品はそこまでありきたりではなかったので、選択しました。この作品のオファーを受ける前、すごく疲れている状態だったんです。「トッケビ」「他人は地獄だ」「九尾狐伝」など、ファンタジーとスリラージャンルを連続でやっていたら、体力的に少し大変でした。もう少し現実的な話をやってみたいと思いました。そんな中、この台本を読んだのですが、セリフが本当に面白かったんです。さらにイム・スジョンさんが合流すると聞いたので、参加を決めました。このようにロマンスだけを扱ったジャンルはかなり久しぶりです。久しぶりに気楽な姿を見せたいと思って選択しました。

――台本を読みながら最も共感した部分はどこでしたか?

イ・ドンウク:ヨンホがシングルライフを楽しむ姿が僕と似ています。僕もひとりでいるのが長くなって、それにどんどん慣れていっているところです。シングルの快適さを感じる時間がどんどん長くなると、ヨンホの気持ちが理解できました。すごく共感できて、「本当に僕と似ている」と思いました。もちろんヨンホのように、「絶対にソロでいなければならない!」というほどではありません。僕はいつもオープンマインドで待っていますから(笑)。あ、そしてヨンホは、一人でご飯を食べれる人です。一人で食堂に行ってサムギョプサルを焼いて食べるほどです。僕は定食屋までは挑戦してみましたが、ヨンホほどのレベルではありません。ヨンホの人生を見ながら「この人は一人で遊ぶ達人なんだな、僕も試してみようかな」と思いました。

――ヨンホを演じるために研究したり、準備したことはありましたか?

イ・ドンウク:現実的に見えてほしいと思っていました。演技的に膨大な準備をするより、人間イ・ドンウクの姿が映ってほしいと思いました。セリフのトーンや設定を作るというよりも、自然な姿をお見せしたいと思いました。

――スター講師を演じなければなりませんでしたね。

イ・ドンウク:会社員のように見えればと思いました。先生というのは千差万別なんですよね。ほとんどの講師は心から子供たちにうまくいってほしい気持ちでアドバイスもたくさんしてくれますが、ヨンホはそのようなスタイルでは全くありません。仲間たちと交流も一切しません。講義をする時も、そのようなヨンホの性格が表れたらいいなと思いました。あ、一番覚えているシーンは、ヨンホが「僕にだけ従えばいいのです」と言って、かっこいいふりをするシーンがありますが、そこが面白く描かれたのでよかったです。

――“ロマンス職人”と呼ばれるイム・スジョンさんとの共演はいかがでしたか?

イ・ドンウク:以前「恋愛ワードを入力してください~Search WWW~」で一度共演しました。カメオ出演だったけれど、その時すごく良い感じで撮影できました。カメオは本当にうまくやらなければなりません。一人で見知らぬ現場に行って、少しの間だけ演じて消えなければならないじゃないですか。「迷惑をかけてはならない」という気持ちで撮りましたが、イム・スジョンさんが本当にリアクションを上手くやってくれました。息がよく合って、楽に演技ができました。その時、一緒に長く演じてみたいと思いましたが、その機会がすぐにやってきました。とても真面目で細かい女優です。そしてすごく可愛いポイントもあります。カットがかかったら一人でぼうっとしているのですが、それがすごく可愛いですし、本当に良い人だと思います。

――40代になりましたが、ロマンスの男性主人公と言えばイ・ドンウクさんに追いつく人はいないのではないでしょうか。

イ・ドンウク:外見の管理がうまくできているという賞賛、ありがとうございます(笑)。ロマンスは観客を説得しないと見ることができないジャンルです。幸いなことに、今はメロをやっても気分は悪くさせないようで(笑)、それが本当にありがたかいです。

――イム・スジョンさんはコン・ユさん、ヒョンビンさん、ソ・ジソブさんなど、共演した俳優の中で最高だと絶賛をしていましたよね?

イ・ドンウク:本当に広報を熱心にするんだなと思いました。ハハ。ありがたかいですが、実はすごくプレッシャーになりました。スジョンさんと共演しながら一度もやりにくいと思うことがなかったんです。この女優とまた演技をしてみたいと思いました。他のジャンルで会ってもいいと思います。ファンタジージャンルやスリラーも面白そうです。いつかまた共演したいです。

――イム・スジョンさんが2人とも恋愛細胞がぜんぜんなかったと言いましたが、映画を撮りながら少しは生き返りましたか?

イ・ドンウク:ハハ。少し生き返りました。現実のイ・ドンウクがあまり経験できないことを間接的に体験するので、想像をしてみるじゃないですか。心がちょっとふわふわしたりもしました。でもまた現実に戻ると「やっぱり一人でいるのが楽だ」となります。だから恋愛細胞が死んだという診断を受けるんです……大変です。でも、本当に深刻なのは「大変なことだ」と思っていないことなんです。水に沿って、風に沿って、ただ流れるようにそのまま放っておいています。

――20代前半の演技も披露しましたが、いかがでしたか?

イ・ドンウク:演じる時も少し「これで合っているのだろうか」と思いました(笑)。スクリーンで観たら恥ずかしかったです。30代まではやってみますが、大学生の演技はすごく恥ずかしかったです。

――撮影地にも話題の場所が多くありました。新しく知ったソウルの姿はありましたか?

イ・ドンウク:久しぶりに景福宮(キョンボックン)に行ってみました。よく行く場所ではないですが、本当によかったです。落葉のある時期に行ったのですが、景福宮の風景を見ながら、ふとこの中での四季が気になりました。また潜水橋で撮影するシーンもありました。漢江(ハンガン)の橋は普通高いところに位置していますが、潜水橋だけが唯一低いところにあります。ソウルで生まれて40年以上住んでいますが、ここで見上げるソウルはとても新しいです。「シングル・イン・ソウル」ではシングルも重要なキーワードですが、ソウルも重要視していただきたいです。

――ソロの男性を演じるために参考にした書籍や作品はありますか?

イ・ドンウク:すでに自らが完璧なソロライフなので、他のものをあえて見なくても大丈夫でした。ハハ。

――作品を選ぶ時、前作に影響を受ける方ですか?

イ・ドンウク:前作と似たジャンルは避けます。同じジャンルを連続でやると、枠の中に閉じ込められる感じがします。僕は挑戦することが好きです。

――シングルライフを楽しむイ・ドンウクさんならではの方法はありますか?

イ・ドンウク:ヨンホが概念のようなものを説くシングル男だとしたら、僕は“暮らしの王”です。洗濯も上手で、掃除も上手です。洗濯を1日に3回します。タオルは別、トレーニングウェアも別、白い服も別にします。実を言うととても大変です。家事はやってもやっても終わりがありません。

――コン・ユを含め周辺にシングルの男性が多いですが、誰が最も危険だと思いますか?

イ・ドンウク:みんな似たり寄ったりです。お互いに“同志愛”を感じています。会えばすごく嬉しいです。頻繁に会えなくても、その期間に対するギャップがあまりない感じがします。たまに会っても嬉しいですし気が楽です。

――“コミュニケーション王”でもあります。これほどアイドルのように活動する俳優もいないのではないでしょうか。

イ・ドンウク:いつの間にか僕もデビュー25年目、年齢も40代に入りました。ずっと昔の栄光にとどまって、以前やっていたやり方にこだわりながら生きていたらものすごい障害物になると思います。世界が変わっていくのにきちんと適応して合わせていくのも本当に重要なことだと思います。そのためコミュニケーションをたくさんとろうとしています。YouTubeもして、Bubbleもやっています。そうすると、10代の若いファンがたくさん喜んでくれます。「トッケビ」をやった時は男子生徒たちがフェドラをかぶって学校に行こうとしたら母親に止められたという話も聞きました(笑)。実は悩みも多かったんです。この年でポップアップを開いて人形作っていたら、ちょっと変に見られるかなと。でも何かを試みるのは良いことなので挑戦しましたが、「何をしているの?」という反応よりは、みんな喜んでくれている雰囲気です。僕は他の俳優がやらないことをたくさんしています。Vアプリも俳優ではほぼ初めてやったはずです。「強心臓」に出演していた時も、俳優たちがMCのようなことはあまりやらなかった時だったのにやっていました(笑)。

――2023年を振り返ってみていかがでしたか?

イ・ドンウク:作品を一生懸命に撮って、広報も頑張りながら過ごしました。一年に2つの作品が公開されるのは最近ではあまりないことなので、個人的には嬉しいです。悲しくて大変な時期よりは、幸せな時がもっと多かった一年として記憶されると思います。最後まで幸せでいられるように「シングル・イン・ソウル」をたくさん愛していただきたいです(笑)。

© 株式会社ライブドア