気になる“熟年離婚”のその後…元夫婦たちの末路 #4「これが本当の…!」

熟年離婚を選ぶ人は、人生の区切りで離婚を思い立ったり「その日」を待ち望んで準備を続けていたり、事情は本当に人それぞれです。

問題なのは離婚後の生活で、生活費や住むところ、両親との関係など、結婚していたら直面することのなかった現実が襲ってきます。

熟年離婚したそれから後、元夫婦たちはどんな人生を送っているのか、実録でお伝えします。

「離婚したのは5年前、夫婦らしい会話もなく自分だけ好き勝手をして過ごす元夫に愛想をつかした結果でした。

2人の子どもは家を出て就職もしており、私たちの状態にはあまり関心がなく、熟年離婚するとわかっても特に何も言わないのが、寂しくもあり安心でもありましたね。

子どもたちは県外におり私の実家も遠く、離婚後にどう過ごすかはずっと悩みましたが、長女に『どこに帰省すればいいかわからないから、しばらくはふたりとも同じ市内にいてほしい』と言われ、ひとり暮らしを決めました。

私自身は仕事をしており貯金もあるので、ひとりで生活をすることに問題はないけれど、年に二回しか顔を見せない子どもたちのために元夫の近くにいるのはストレスでしたね。

離婚してすぐのときは、さすがに気になるのか子どもたちも頻繁に連絡をくれていたけれど、一年も経つと慣れたのかLINEでのやり取りだけになりました。

その間、家に残ってひとりで住んでいる元夫からも『◯◯はどこにあるんだ』『◯◯はどうなったんだ』などトンチンカンな連絡がきて迷惑で、何で離婚後までこんな思いをするのかとモヤモヤしていました。

引っ越しを決めたのは、何年も前に離婚してシングルになっていた友人が故郷の島に帰ることを話してくれたとき。

『自分の人生を悔いなく生きたい』と笑顔で話す彼女を見て、私も現実を変える決意をしました。

いつまでも子どもたちや元夫に縛られるような生活ではなく、自由にのびのびと過ごしたくて。

県外いる両親のもとへ帰ると子どもたちに連絡すると、『じゃあ次からそっちに行くね』と普通に受け入れてくれたのも、うれしかったです。

子どもたちにとっては、自分の生活がメインで親である私たちのことは二の次、それでいいのだと思っています。

元夫へも一応伝えたら、『また勝手なことをするのか』と文句を返され、本当にうんざりしました。

退職金と貯金を持って実家に戻り、今はパートで働きながら両親とのんびり暮らしています。

元夫の気配もなく子どもたちともたまに連絡を取り合うくらいの生活は、想像以上に解放感があって幸せです。

これが本当の『心機一転』、自分の人生を楽しみたいと思います」(女性/52歳/清掃)

自由になるために離婚したのに、その後も子どもや元配偶者の関わりでネガティブな生活を送っていると、ストレスはいつまでも消えません。

子どもについては、どこまで責任を負うのかの問題もありますが、成人し自立も叶っているのであれば、自分の人生を優先することが悪いとは決して言えないのではないでしょうか。

悪い鎖を断ち切るのが離婚なら、こんな心機一転も自分のため。

今は自分の人生に責任を負う覚悟が、何よりも大切ではと感じます。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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