歴史の教科書に載るような20年…成人式「発祥の地」で決意新たに 蕨で78回目の「成年式」 395人が参加

「成年式発祥の地記念像」と第78回蕨市成年式実行委員会の皆さん=8日午後、埼玉県蕨市中央の蕨城址公園

 第78回蕨市成年式が8日、蕨市民会館で行われ、20歳を迎える若者たちが人生の門出に決意を新たにした。

 埼玉県蕨市は全国に広がった成人式発祥の地。終戦翌年の1946(昭和21)年、当時の蕨町青年団が中心となり、若者を勇気づけ、励まそうと青年祭を企画し、その催しとして成年式が行われた。同市では現在も第1回の名称「成年式」として行われている。

 成年式には同市で20歳を迎える660人のうち、395人が参加。冒頭で実行委員長の長江健真さんは「感染症の流行、小学校入学年の東日本大震災、歴史の教科書に載るような私たちの20年間。激動の時代の中、ここにいる仲間と確実に歩みを続け、きょうの日を迎えた。仲間と過ごした時間を懐かしみながら決意を新たにする」とあいさつした。

 国歌、市歌の斉唱に続きあいさつした頼高英雄市長は「皆さんは成人式発祥の地、蕨で20歳という大切な人生の節目を迎えたことを誇りに、ふるさと蕨の仲間を大切に人生を歩んでほしい」と祝福した。

 会では実行委員を務めた大塚若菜さん、尾方環さんが現在の自身が歩む道を紹介し、それぞれの思いを込めた「青年の主張」を発表。沼野井蓮さんが参加者を代表し、20歳の誓いとして「これからは一人の大人として責任を果たし、成年式発祥の地に住むことを誇りに、社会に貢献していくことを誓う」と述べた。

© 株式会社埼玉新聞社