阪神淡路大震災を経験 日本一周の旅で訪れた輪島市に思い 大阪出身の小坂さん「支援の輪を」 沖縄・北谷町のビーガン専門店「六屯」で売り上げの一部寄付へ

能登半島地震を伝える新聞の切り抜きを使った手作りの募金箱を持って支援を呼びかける六屯の小坂直樹代表(右)=8日、北谷町浜川・同店

 能登半島地震の被災地を支援するため、沖縄県北谷町浜川のビーガン専門店「六屯(ロットン)」が、販売するコーヒーとTシャツの売り上げの一部を石川県に寄付する活動を始めた。大阪府出身の小坂直樹代表(37)は、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災で被災を経験。今回の地震で被害が大きい輪島市には日本一周の旅で訪れたこともあり、「少しでも被災地の力になってほしい。支援の輪も広げたい」と呼びかけた。

 小坂代表が小学2年生の頃、淡路島北部を震源とする大地震が発生。規模はマグニチュード7.3と推定され、兵庫県を中心に甚大な被害を受けた。

 高槻市の自宅で二段ベッドの下段に寝ていたが、地震発生時刻の午前5時46分に、激しい縦揺れで体が浮き上がって上段にぶつけられた体感は今でも覚えている。ベッドの下敷きになった友人もいた。

 新年を襲った能登半島地震は、閉店後のテレビニュースで知った。軽自動車での日本一周で訪れた同半島の景色や輪島の街並みは変わり果て、自身も被災地で「水が出ない、火災は止まらなかった」と振り返る。

 被災地でのボランティアも考えたが、現地では受け入れ態勢がまだ十分でないほか、店を留守にすることで家族や従業員への負担もかかる。「遠い沖縄からできる限りの支援をしよう」と決意。今月末を区切りに店内販売するコーヒー各種とTシャツの総売り上げの15%を石川県が開設している義援金の指定口座に振り込む。

 地震発生から8日で1週間を迎えたが、いまだに被害の全容は見えない。地震を伝える本紙の切り抜きを使った手作りの募金箱を手に小坂代表は「自分たちに何ができるか。気持ちを形にして届けたい」と一日も早い復興を願った。

(中部報道部・砂川孫優)

 

(写図説明)能登半島地震を伝える新聞の切り抜きを使った手作りの募金箱を持って支援を呼びかける六屯の小坂直樹代表(右)=8日、北谷町浜川・同店

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