雪の結晶をスマホで簡単に撮影する方法を紹介!実は同じ形は1つもないって知ってた?

雪の結晶とは、私たちが「雪」と認識しているもののこと。

空から落ちてくる雪は、ただの白いかたまりではありません。

実際には形の異なる小さな結晶が、いくつも組み合わさってできているのです。

この記事では、雪の結晶の概要や仕組み・種類についてまとめました。

スマホで雪の結晶を撮影する方法もご紹介するので、チャレンジしてみてくださいね。

雪の結晶とは?

そもそも雪は、氷の結晶が集まって空から降ってきたものです。

「雪の結晶=氷の結晶」と言ってよいでしょう。

雪の結晶とはどのようなものなのか、仕組みや形状について詳しくご紹介します。

元は「雲の中の水蒸気」

雪の結晶の元は、雲の中の水蒸気が凍ったものです。

雲のある上空は気温が低く、水は小さな氷の粒となります。

氷の粒は雲の中の水蒸気をたくさん吸収して大きくなり、重くなった時点で「雪」として地上に落ちてくるのです。

ただし空気の温度や湿度が高いと、雪は形状を保てません。

氷の粒は溶けてしまい、雨となります。

雲から落ちてくる氷の粒が「雪」になるのは、空気が乾燥していたり地表の温度が低かったりするときだけです。

雪が降るには、日本海側で地表の温度が2~3℃以下、太平洋側で1~2℃以下になることが必要といわれています。

雪の結晶は「六角形」

雪の結晶は、基本的に全て六角形です。結晶のベースとなる水分子は「正四面体構造(4つの面が三角形で構成されている構造)」ですが、水の分子は氷になる時に六角に並ぶ性質があるため、気温が低い状態でくっつき合うと六角柱の「氷晶(氷の結晶)」となります。

雪を手に取って見たとき、結晶が六角形に見えるのはこのためです。

※画像はイメージです。

ただし全ての雪の結晶が、きれいな六角形をしているわけではありません。

氷晶が地上に降ってくるまでに、結晶の角や縁にはたくさんの水蒸気がくっつきます。

氷晶は横に広がったり縦に伸びたりしながら落下し、地上に落ちてきた時点ではバラエティに富んだ形状になっているというわけです。

雪の結晶の形は「気温」「湿度」によって変わる

雪の結晶の形は、六角形をベースに縦に長いもの・横に広いものなどとさまざまです。

その形状は気温や湿度に影響を受けるといわれており、雪の結晶で空の状態を想像できます。

例えば温度が低く空気中の水蒸気の量が多いと、雪の結晶は、針のように細長かったり、先が枝分かれした形状になったりします。

一方水蒸気の量が少ないと、雪の結晶は柱状になったり横に広がったりして板のようになることが多いようです。

また、水蒸気量だけではなく、温度によって形状が決まってきますので、その形をみることで、空の温度や湿度などが推測できるともいわれています。

※画像はイメージです。

雪の結晶の種類

雪の結晶にはさまざまな種類があり、「グローバル分類」という分類方法が適用されるのが一般的です。

この分類は8つの大分類・39の中分類・121の小分類で構成されています。

これを元に、主な雪の結晶の種類を見ていきましょう。

参考:中緯度と極域での観測に基づいた新しい雪結晶の分類 -グローバル分類- | 公益社団法人日本雪氷学会

柱状結晶群

文字通り細長い柱のような形状をした雪の結晶です。

空気中の水蒸気量が多く、気温が低いときに見られます。

針や細長い筒のような形を思い浮かべるとよいかと思います。

板状結晶群

雪の結晶のベースとなる六角形が板状に伸びた結晶です。

一般的な「雪の結晶」としてイメージされる「樹枝六花」も、板状結晶群に含まれます。

きれいな六角形を維持しているものもありますが、端が枝分かれした複雑な形状の結晶も少なくありません。

柱状・板状結晶群

雲の中の気温変化が激しいときに生まれた雪の結晶です。

柱状から板状になったり、板状から柱状になったりと複雑な変化の後が見られます。

角板鼓(かくばんつづみ)と呼ばれる鼓のような結晶が代表です。

付着・併合結晶群

たくさんの結晶が複雑にくっつき合って生まれた雪の結晶です。

柱状のもの・針状のものなどさまざまあり、比較的多く見られます。

雲粒(うんりゅう)付結晶群

雲の中の雲粒(雲を構成する水滴や氷結晶)がくっついて落ちてきたものです。

「あられ」も雲粒付結晶群に数えられます。

初期結晶群

小さな氷晶のため、肉眼でははっきり見えないかもしれません。

低温地で見られる「ダイヤモンドダスト」は、初期結晶群によるものだといわれています。

不定形群

そのままですが、氷粒や結晶の破片など、わかりやすく言えば結晶の形になっていないものです。

そのほかの個体降水群

これまでご紹介したグループに入らないものがこちらのグループに入ります。

みぞれやひょうなどもこちらのグループです。

ちなみに、ひょうはあられが地表近くで表面が溶けたあとに、上昇気流で上空へと持ち上げられ、過冷却雲粒をくっつけて大きくなります。

これを繰り返して氷の塊として大きくなったものがひょうと呼ばれ、その大きさが5mm未満の場合はあられと呼ばれます。

結晶の分類についてもっと詳しく知りたい方は「中緯度と極域での観察に基づいた新しい雪結晶の分類|日本雪氷学会」をご覧ください。

雪の結晶はスマホで撮影できる!

出典:#関東雪結晶 プロジェクト|気象庁気象研究所

2018年、気象庁気象研究所職員がX(旧Twitter)で「雪の結晶を撮影して投稿してください!」と呼びかけました。

たくさんの人に雪の結晶を撮影してもらい、結晶観測に役立てるためです。

観測データがそろったとのことで、2022年にこのプロジェクトは終了しました。

しかしXでは現在も、「#関東雪結晶」のハッシュタグでさまざまな雪の結晶の写真が投稿されています。

雪が降ったらスマホを片手に表に出て、雪の結晶を撮影してみてはいかがでしょうか?

ここからは雪の結晶をスマホで撮影するコツをご紹介します。

準備するもの

スマホで雪の結晶を撮影するに当たり、以下のものを準備しましょう。

  • 青や黒など、濃い色の布・傘など
  • 大きさを比較できるもの(定規や硬貨など)
  • スマホ用マクロレンズ

濃い色の傘や布の上に雪を置くと、結晶の輪郭が際立ちます。

すぐに溶けてしまわないよう、事前に冷やしておくのがおすすめです。

またスマホで接写すると、雪の結晶のサイズが分かりません。

mmメモリの付いた定規や硬貨なども用意しておいてくださいね。

スマホ用マクロレンズは、被写体を拡大し細部までくっきりと見せてくれるレンズです。

絶対に必要というわけではありませんが、スマホカメラに取り付けると結晶の細部までよく見えます。

雪の結晶はもちろん、お花や昆虫などの撮影にも使えるので、ぜひ1つ用意してみてはいかがでしょうか?

最近では100均でもマクロレンズを売っているようですよ。

撮影のコツ

雪の結晶をきれいに撮影するコツは、スマホカメラを最大ズームにして連写することです。

ただし最大ズームでの撮影は、わずかな手ブレでも画面がボケてしまいます。

どこにピントが合うか分からないので、スマホを上下に動かしながらたくさん連写することが大切です。

なお撮影におすすめの距離は、マクロレンズなしの場合は約10cm、ありの場合は数cmです!

この他、雪の結晶についてやスマホ撮影、その他天気などについては、雲研究者・気象庁気象研究所主任研究官・学術博士である荒木健太郎さんがいろいろ紹介してくれています。

荒木健太郎さんのXはコチラ

家庭でも雪の結晶を楽しもう!ASOPPA!の折り紙レシピを紹介

雪の結晶を観察したら、ご家庭できれいな雪の結晶を作ってみませんか?

「ASOPPA!レシピ」では、折り紙とハサミを使った雪の結晶の作り方をご紹介しています。

子どもでも簡単に作れるので、ぜひ親子で作ってみてください!

雪の結晶を作る前に! 「六枚弁」を作ろう

雪の結晶といえば六角形。

きれいな六角形ができるよう、お花の「六枚弁」をベースします。

まずは折り紙を、以下の⑧の手順まで折ってください。

ここまで折ると、きれいな六角形ができあがります!

折り紙を6等分に!基本の6枚弁の折り方-折り紙|ASOPPA!

雪の結晶①

まん中が空いた、お花のような雪の結晶です。

先ほど作った六枚弁にハサミを入れてくださいね!

「雪の結晶(ゆきのけっしょう)」子どもでも簡単!切り方次第で素敵なデザイン-折り紙|ASOPPA!

雪の結晶②

やや複雑な形状の雪の結晶です。

こちらも、まずは六枚弁を折るところから始めてください。

図の青い部分を残してハサミを入れると、きれいな雪の結晶ができあがります。

複雑な形の「雪の結晶(ゆきのけっしょう)」もコレを見れば簡単に作れる折り方を紹介-折り紙|ASOPPA!

まとめ

雪の結晶は、雲の中の水分が凍ったまま地面に落ちてきたものです。 形状は空中の湿度や温度に影響を受けるため、120以上もの形状があります。 雪が降ったらぜひ濃い色の布に乗せて、子どもと一緒にスマホ撮影会を楽しみましょう。 なおスマホで雪の撮影をするときは、周囲の安全には十分に気を配ってください。 また冬は手がかじかみやすいので、スマホの落下による破損・故障にも注意してくださいね。 文/カワサキカオリ

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