地域通貨アプリ クラフトつくば本格稼働 農園整備や広場清掃 活動参加でポイント 茨城

飲食店ではスマートフォンでQRコードを読み込み飲食代を支払える=つくば市吾妻の「ビア・アンド・カフェ エンギ」

■加盟42店舗、割引や特典も
茨城県つくば市内限定で使える地域通貨アプリ「クラフトつくば」が本格稼働を始めた。電子通貨として使えるほか、農園整備などの地域活動に参加することでポイントがためられ、加盟店での利用やツアー体験といった特典がもらえる仕組み。企画者は、中心市街地と周辺地域間の人の流れを活性化し、魅力あるまちづくりにつなげたい考え。

企画・運営するのは、まちづくり会社「つくばまちなかデザイン」(つくば市)と熱供給事業を手がける「ミライデザインパワー」(同)の2者。

つくばまちなかデザインは、研究学園都市をはじめとする中心市街地の人口が増える一方、周辺部は人口減少が続くことを課題として挙げる。こうした現状を変えていこうと2023年春、同アプリの稼働を始めた。加盟店は飲食店を含め42店舗まで増えた(12月26日時点)。利用するには、クレジットカードから現金を「コイン」として入金すると買い物できる。参加飲食店の「ビア・アンド・カフェ エンギ」(同市吾妻)の女性従業員(40)は「まだ認知度が低いが、共感する人が増えたら利用者も増えるのでは」と期待した。

また、つくばセンター広場の清掃やブルーベリー農園の整備などの活動を行うとポイント「グリーン」として、1時間当たり500ポイント前後が付与される。一定のポイントが集まると、ミライデザインパワーの熱供給施設見学ツアーへの招待や加盟店利用での割引、体験チケットといった特典がもらえる仕組み。

利用は会員制となっており、30~40代の家族層を中心に約750人に上る(12月26日時点)。

ミライデザインパワー企画事業課主任、林竜平さん(30)は「アプリが、地域活動をつなぐ場として、つくばに定着していけば」と普及に期待する。つくばまちなかデザインのプロジェクトマネジャー、川根せりなさん(26)は「今後もつくばにしかない体験をどんどん考え、(地域通貨を)発展させていきたい」と意気込む。

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