【行き場のない咬傷犬、問題犬はどうなる?】譲渡困難犬を保護する団体わんずふりーに迫る

『譲渡困難犬』という言葉を聞いたことがありますか?

ペットショップで動物を買うのではなく、譲渡会で動物を迎え入れる方も多くなっている今、『譲渡会』の単語は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか。

今回は、譲渡困難犬の保護施設を立ち上げた『わんずふりー』(Instagram:

わんずふりーさんは、全国からこの保護施設に来る咬傷犬、問題犬の心をリハビリをし、犬によっては看取り、譲渡に繋げる活動をされています。

もし、保護団体などに引き渡されなかった譲渡困難犬たちは、残念ながら殺処分されてしまう地域もあるそうです。譲渡不適切犬は、行政発表の殺処分数にカウントしなくてもよいため、はじめからなかった命として扱われてしまうとのこと。

完全フリースタイルの保護施設

わんずふりーがとっている施設のスタイルは、日本では数少ない『完全フリースタイルの保護施設』です。

譲渡困難犬のための保護施設(@wansfreeより提供)

食事の時だけ犬たちが全員集合するというルール以外は、24時間犬が好きなように屋外、屋内を自由に行き来できる生活スタイルとのこと。すべての犬が檻などに入れられず、フリーな状態で共同生活している施設はあまりないのではないでしょうか。

わんずふりーの取り組みによって、2022年から譲渡が始まり現在は9頭が新しい飼い主さんの元へ。これからも、たくさんの犬たちが新しい飼い主さんのもとへ行ってほしいですね。

犬の数だけ答えがある

完全フリーの施設ということもあり、夜中に救急車などのサイレンに犬たちが反応してしまい、外で遠吠え合戦が始まってしまうこともあるそうです。近隣住民への迷惑だけは避けるため、飛び起きて止めなければならないことだけが今も大変だとか。

齊藤さんは「自分自身の心の平穏さが犬の心理に多大な影響を与えるので、常に自身の心が健康であるよう努めています」と語ります。
この完全フリースタイルのやり方はほんのひとつの例に過ぎず、犬の数だけ答えがあるといいます。「情報を鵜呑みにすることなく、愛犬に寄り添い、心の声を聞いて欲しい」と話してくれました。

2023年11月の譲渡会の様子(@wansfreeより提供)

この活動を応援してくれているのは、Instagramなどで活動を知ってくださったフォロワーたち。Instagramのコメント欄では「犬との向き合い方が勉強になった」「これからも応援しています」など温かいコメントで溢れています。

わんずふりーでは、2028年までに300頭収容可能な大規模な保護施設を計画中。そして、その施設を永続化する仕組みをつくり、後世に繋げるのがわんずふりーの目標であり、使命と考えています。

凶暴になってしまった動物とは、何か理由があってこうなってしまったに違いありません。根気よく付き合っていくことで、一匹でも多くの動物が新たな飼い主さんと出会えるといいですね。

ほ・とせなNEWS編集部

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