「小学校」での撮影いかが? 廃校跡地を貸しスタジオに、行田市が協定 災害時の避難所機能は維持

行田市立北河原小学校の閉校記念式典フィナーレで、花火に合わせて鳴らされたシンボルのカリヨンベルを聞く参加者たち=2022年3月13日午前

 埼玉県行田市は、旧北河原小学校跡地利活用事業の優先交渉権者に決定した撮影コーディネート会社アトリエミカミ(茨城県常総市)と基本協定を締結した。市内で民間活力を導入した学校跡地利活用は初めて。市は撮影場所の公開、新たな観光スポットの発掘、聖地巡礼による観光客の増加、関係者の飲食需要の増加など、市内の活性化を期待する。

 同社はミュージックビデオ(MV)や映画、CMなどの貸しスタジオとして運営。校舎や体育館の外観を生かし、撮影場所として利用する。内部の間仕切りなどは現状利用し、教室・職員室・廊下・昇降口などの全てを撮影セットとして映画・ドラマ・MVなどに使用する。避難所機能は維持され、災害時は2階以上の普通教室と体育館が避難所として開設される。

 基本協定は市と同社との間における義務など基本的な取り決めや、事業の円滑な実施に必要な各手続きに係る了解事項を確認するもの。3月下旬までに同社と賃貸借契約を締結する。貸付賃料は年間で税別233万7601円(月額約19万4800円)で、建物賃貸借契約は10年間。

 締結式は市役所で行われ、横田英利副市長と同社の三上昇社長が協定書に署名。横田副市長は「地域活性化の後押しとなり、市内経済の活性化を期待している」と語り、三上社長も「たくさんの撮影を誘致し、行田市のために頑張っていきたい」と話した。

 1月中旬に都市計画審議会で用途変更についての意見聴取を行い、同月下旬には地元説明会も開催予定。

協定書を持つ横田英利副市長(右)と三上昇社長

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