ダブルヒガシ「上方漫才協会大賞」受賞 涙なしも「心の中は涙で涙で」23年は関西賞レースで2冠

お笑いコンビ・ダブルヒガシが8日、大阪・なんばグランド花月で開催された「第九回 上方漫才協会大賞」に出演。2023年に活躍した吉本興業の若手芸人に贈られる「大賞」を受賞した。昨年関西の賞レースを総ナメし、今年も幸先のいいスタート。2人は「M-1グランプリ」という次なる目標を見据えた。

ダブルヒガシは大東翔生(30)と東良介(31)によるコンビで、2014年に結成された。節目の結成10年目となった23年は3月に「ytv漫才新人賞決定戦」、7月に「第44回ABCお笑いグランプリ」で優勝し、関西の賞レースを総ナメ。「M-1グランプリ2023」でもワイルドカードから準決勝に進出するなど頭角をあらわし、さらなる飛躍を期待させる1年となった。

受賞に充実の笑顔を浮かべた2人。「ytv―」優勝の際は号泣していた東だったが、この日は涙なし。上方漫才協会・中田カウス会長(74)からそのことを指摘されると、東は「心の中が涙で、涙で」と釈明し笑いを誘った。

終了後、囲み取材に応じた2人は「最高のスタートダッシュ」(大東)、「受賞した時の(客席からの)大きな拍手は忘れない」(東)と喜びを実感。「目の前のお客さんを笑顔にできる漫才を」と東はさらなる進歩を誓った。関西の賞レースは芸歴制限「10年以内」の大会が多く、結成11年目を迎える2人は出場できる大会が極端に限られる。それでも、大東は「1個に集中できる」とプラスに捉え、「M-1一直線」と次なる目標を見据えた。

ダブルヒガシの魅力を聞かれたカウスは「(漫才師としての)可愛らしさ」と即答。23年の活躍ぶりの中でも、新ネタに向き合う気持ちと仕上がりを評価したという。将来的になんばグランド花月のトリ出番を務めるために「周りを意識しないこと」とアドバイス。「ダブルヒガシの漫才を磨いていくことがトリにつながっていく」と期待を込めた。

その他、特出すべき点があった芸人に与えられる「特別賞」にはジャルジャル、漫才の発展に貢献した芸人に贈られる「話題賞」には「M-1グランプリ2023」で優勝した令和ロマン、劇場を支え続けた芸人をたたえる「劇場賞」には、結成16年以上のコンビが競う漫才賞レース「THE SECOND~漫才トーナメント~」で初代王者に輝いたギャロップが選ばれた。

受賞者一覧は以下の通り。

◆大賞 ダブルヒガシ
◆特別賞 ジャルジャル
◆新人賞 タイムキーパー
◆話題賞 令和ロマン
◆劇場賞 ギャロップ
◆文芸部門賞 侍スライス、ネイビーズアフロ、バッテリィズ、kento fukaya、シシガシラ
◆文芸部門名誉賞 ツートライブ

(よろず~ニュース・藤丸 紘生)

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