第3世代となる改良版『クプラ・レオンVZ TCR』の受注好調「すでに生産計画の半数が予約で埋まった」

 TCR黎明期から活動を続けるSEAT(セアト)傘下のCUPRA Racing(クプラ・レーシング)は、第3世代のアップデート版たる新型『CUPRA Leon VZ TCR(クプラ・レオンVZ TCR)』の発売を正式に発表。新規ホモロゲーション登録を前に、年間生産計画の半分が「すでに予約されている」ことも明かした。

 2015年にWSCグループによって創設され、わずかな期間でグローバルなツーリングカー規定の勢力図を塗り替えた同カテゴリーにて、立ち上げ時点から関与してきたスペイン発の同ブランドは、この2024年に向け新たなモデルの投入を宣言。成功を収めた初代『クプラ・レオンTCR』と、今も各国、各地域のシリーズで戦闘力を維持する『クプラ・レオン・コンペティションTCR』からバトンを受け継ぎ、新型『クプラ・レオンVZ TCR』の発売を計画している。

 TCRの世界で蓄積してきた10年間の経験に基づいて開発されたこの新しいモデルは、新形状ボディワークを筆頭に、新しいサスペンションやペダルボックスを含む新開発のフロントアクスル、そしてTCR規定に準拠した最新のSADEV(サデフ)製ギアボックスなどの進化を含む多くの新機能を備えるという。

 また既報のとおり、これまで現行モデルで参戦してきたカスタマーには、改良されたドライバーディスプレイやオープントップ・ステアリング ホイール、さらにオプションのオーリンズダンパーを含むアップデートキットの供給と販売も予定。新たなシーズンを前に、自分のクルマを新しい仕様にアップグレードする可能性が開かれる。

「(2023年の)11月9日、我々はカスタマーレーシング向けの新しいデザイン言語を備えた、新開発レーシングカーである『クプラ・レオンVZ TCR』の注文プロセスを開始した」と語るのは、そのクプラ・レーシング代表を務めるシャビ・セラ。

「このモデルはパフォーマンスの面でも大きな前進を見込んでおり、我々を信頼してくれる世界各国のチームを、最高のツールでサポートし続ける。現時点でそうしたカスタマーからの反響には非常に満足しているし、計画生産量の50%以上がすでに予約されていることから、新型に対する期待は数字が物語っているね」

 そのTCR規定シリーズの頂点に君臨するTCRワールドツアーは、2023年の創設初年度を経て2年目の今季よりFIA国際自動車連盟のステータス認定を取得。新たに『FIA TCRワールドツアー』として全9戦の開催スケジュールが公開されているが、一部のトップカスタマーはクプラ・レーシングからの手厚い支援を得て、同選手権に新型モデルを投入する可能性も囁かれている。

新型は、成功を収めた初代『CUPRA TCR』と、今も各国、各地域のシリーズで戦闘力を維持する『CUPRA Leon Competición TCR(写真)』からバトンを受け継ぐ
新形状ボディワークを筆頭に、新しいサスペンションやペダルボックスを含む新開発のフロントアクスル、そしてTCR規定に準拠した最新のSADEV(サデフ)製ギアボックスなどの進化を含む多くの新機能を備えるという
「このモデルはパフォーマンスの面でも大きな前進を見込んでおり、我々を信頼してくれる世界各国のチームを、最高のツールでサポートし続ける」とCUPRA Racing代表のシャビ・セラ

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