日本で最も古い現役駅舎「亀崎駅」 ユネスコ無形文化遺産に登録された祭りも 愛知の穴場駅前タウンへ

日本で最も古い現役駅舎

日本でも有数の「鉄道県」である愛知県。県内にある駅の数は約500駅と全国第4位を誇り、私鉄に絞れば東京に次ぐ2位の駅数です。そんな愛知県で、思わず途中下車したくなる魅力的な「駅前タウン」を調査。鉄道ファン協力のもと「穴場駅前タウン」をピックアップしてもらいました!

■名鉄・太田川駅

太田川駅

名鉄名古屋駅から特急に乗り、15分で到着する「太田川駅」。東海市の代表駅としても知られる駅を降りると、近代的な風情があふれる駅前広場が広がっています。

太田川駅は中部国際空港へと向かう常滑線と、知多半島を南へと向かう河和線が分岐する大切な駅です。2011年には全国的にも珍しく、名鉄では初めてとなる3階建ての高架駅に生まれ変わりました。

日本大道芸フェスティバル

新しく生まれ変わった太田川駅の駅前広場では、週末になると毎週のようにイベントが開催されます。取材日は「第5回 日本大道芸フェスティバル」が開かれ、日本のみならず世界で絶賛される一流の大道芸を無料で楽しむことができると、大勢の客が集まっていました。

沖縄フェスティバル

太田川駅がある東海市も駅を中心とした街づくりを積極的に行っていて、このような楽しいイベントを毎週のように開催。その数は年間で100件以上にものぼります。中でも、姉妹都市である沖縄市との交流から生まれた「沖縄フェスティバル」は、駅前に1日1万人以上が来場するほどの大にぎわいとなりました。

大槁屋の「押し寿司」

そんな太田川駅の近くで昔から変わらず地元民たちに愛され続けているのが、駅からすぐ近くにある寿司店「大槁屋」の押し寿司です。太田川駅のある知多半島では「箱寿司」「切寿司」などとも呼ばれる押し寿司。地域ごとにさまざまな具材で作られています。

大槁屋では、4代目を受け継ぐ大橋裕介さんが昔ながらの作り方で押し寿司を提供。煮穴子や魚のほぐし身、シイタケを並べて型に入れ、ギュッと押してから取り出したら仕上げに秘伝のたれを塗って仕上げます。

地元の集まりやお祝い事に欠かせない大槁屋の押し寿司。お土産として帰りの電車で食べたくなるおいしさです。

■JR武豊線・亀崎駅

亀崎駅

JR武豊線「亀崎駅」は明治19年に建てられた古い木造駅舎で、日本で最も古い現役駅舎といわれています。古き良き風情漂う駅舎は、鉄道ファンのみならず多くの人の目を引きます。

ユネスコ無形文化遺産に登録された「亀崎潮干祭」

1日約2700人が利用する亀崎駅に降りれば、駅前を散歩するだけでタイムスリップ気分を味わえます。古民家などが立ち並ぶ街中には「亀崎潮干祭」で使われる山車の蔵も。300年以上続く伝統的な祭り「亀崎潮干祭」は、ユネスコ無形文化遺産にも登録されています。

Lico.

亀崎駅から徒歩で13分ほどの場所にある「Lico.」は、築約100年を数える古民家を改装したカフェです。亀崎には街の雰囲気を壊さないように古い建物の内部だけをリノベーションして営業しているお店も多く、街の歴史と共に食事や買い物を楽しめます。

そば切り 無双

駅から徒歩9分の場所にある「そば切り 無双」も、築100年超えの建物をリノベーションして営業しているそば屋です。職人歴16年の店主が打つ珍しいそば「外二八」は、豊かな香りと喉ごしの良さが特長。そば好きの間で話題の名店となっています。

敷嶋

さらに街を歩くと目に飛び込むのが、真っ黒な壁がずらりと続く大きな建物。実はこの建物は江戸時代の坂本龍馬が生まれた頃に建てられた歴史ある酒蔵。昔の面影や時代劇に出てきそうな数々の品も残るこの場所では、創業から235年を経た現在でも伊東株式会社の伊東優さんの下、「敷嶋」の名で酒造りが行われています。

会席料理

亀崎駅から徒歩11分の場所にある「望州楼」は、ペリー来航から2年後の安政2年に創業した料亭。亀崎の海を一望しながら楽しめる会席料理は、知多半島や三河地方の食材を中心に海と山の幸が器を彩っています。

福沢諭吉

この望州楼を訪れた歴史的偉人が福沢諭吉。福沢諭吉は武豊線が開通した明治19年に望州楼を訪れ、宴会を楽しみながら1泊したあと、翌朝に武豊線で亀崎駅から熱田駅へと向かったと新聞に書かれていたそうです。昔の歴史に思いをはせながら、駅前をぶらりと散策してみてはいかがでしょう!

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