検挙され身勝手な動機を述べる 宮城県警による年末の飲酒運転取り締まりに密着

飲酒の機会が増える年末年始に警察が行った、飲酒運転の取り締まりに密着しました。検挙されたドライバーが語ったのは、身勝手な動機でした。

師走の仙台市、新型コロナの感染が落ち着き繁華街がにぎわう深夜です。
警察官「前の車止まってください。飲んでます?」運転手「飲んでないっすよ」
警察官「何を何杯くらい?」「ビールを4杯と」
取り締まりを強化する警察と、飲酒運転ドライバーとの攻防に密着しました。

12月下旬の泉警察署で交通課で取り締まりの準備をするのは、35年目のベテラン渡邉裕一係長と、5年目の女性警察官瀬戸寧巡査です。普段は当直体制となる深夜、飲酒運転の取り締まりに向かいます。

飲酒運転の取り締まりは検問が一般的ですが、泉警察署の交通課では覆面パトカーでも警戒します。
瀬戸寧巡査「早いな」
スピードを出す車や怪しい挙動のドライバーに、積極的に飲酒検知を行います。

覆面パトカーで取り締まり

午後10時、覆面パトカーの前を走る白い乗用車の運転手に、不審な挙動が見られました。
瀬戸寧巡査「何かゆらゆらしています、ゆらゆらしています運転手」
信号で停車中の車内には、頭を左右に揺らして激しく動く運転手の姿がありました。飲酒運転している可能性もあります。
瀬戸寧巡査「前の車の運転手さん、左に寄って止まってください。こんばんは、すみません泉警察署なんですけど。運転手さん後ろから見ていて頭を振っている感じあったので、具合悪かったりしていないかなと思って」

運転していたのは、20代くらいの若い女性です。飲み屋の集まる繁華街から運転して来たといいます。
運転手「歌を歌ってました」
瀬戸寧巡査「のってたんですね、OKOK分かりました。あーごめんなさい。眠くなっちゃう時間ですからね」
飲酒検知で、アルコールは検出されませんでした。

午後11時。
瀬戸寧巡査「あのハットの男が何となく怪しい」
飲食店から出てきた男が、車の前でたばこを吸い始めます。近くに車を止め男の様子を伺うと、前かがみになったりふらついたりしています。酒を飲んでいるようにも見えます。

瀬戸寧巡査「乗った。何となく顔が赤いような気もしなくもないですね」
猛スピードで進む車を覆面車両が捉えます。
瀬戸寧巡査「ちょっと止めます、速いので。前の車の運転手さん、左に寄せて止まったください」
渡邉裕一係長「お酒か」瀬戸寧巡査「ですね。こんばんは」運転手「こんばんは」
瀬戸寧巡査「泉警察署です、今なんの帰りですか」
運転手「すみません、飲んでました」
瀬戸寧巡査「飲んでます?ですよね。免許証を預かるのと、エンジン切って下さい。ちょっとやっぱりお酒臭いし、顔も赤いです」
運転手「そうっすね。そうっすね。すみません」

運転していたのは40代の会社員の男。泉中央の居酒屋で友人と数時間飲酒した後、車で別な場所に向かうところだったと言います。
瀬戸寧巡査「どのくらい飲みました?」運転手「結構飲みましたね」
瀬戸寧巡査「結構?ろれつはあまり回ってないですからね。何を何杯くらい?」
運転手「ビールを4杯と梅酒を3杯」

体内にどれだけアルコールが残っているか検査すると。
瀬戸寧巡査「見えます数値。ちょっと見てもらえますかね」
渡邉裕一係長「数値読んで」運転手「0.32です」
瀬戸寧巡査「はい、そうですね」

あきれた言い訳を

酒気帯び運転の基準値、0.15mg/Lを2倍ほど上回るアルコール濃度を検出しました。飲酒運転です。男は、あきれた言い訳をします。
運転手「車で来てそのまま車で帰ろうと。車でというか運転代行だったんですけど。
ほんとに近くで友達と待ち合わせしていて」
瀬戸寧巡査「待ち合わせをしてどこに行く予定だったんですか」
運転手「ラーメン食って帰ろうかなと思っていました。すみません」

警察は、男を酒気帯び運転で検挙しました。違反点数25点で、運転免許取り消しの対象となります。
渡邉裕一係長「救いは事故を起こしていないこと。事故とか起こしていれば、取り返しつかなくなるから」運転手「そうですね」
瀬戸寧巡査「悪いことはばれるので、ちょっとならいいかなということはやめてください。あとはご自身お子さんもいることですし、親として大人としてやっていただければと思います」運転手「分かりました」

代行タクシーを呼び、男が乗車したところを見届けてこの日の取り締まりを終えました。飲酒運転撲滅まで、泉警察署交通課の警察官たちは、昼夜問わず警戒を続けていきます。
泉警察署佐藤康治交通課長「飲酒運転をすれば、一転して破滅への道となります。楽しく飲んで飲酒運転は絶対しない、これを守ってほしいと思います」

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