12県立高、5校に統合決定 栃木県教委の24~29年度再編計画 当初案を一部修正

県教委が入るビル

 栃木県教委は9日、全日制高校の統合などを盛り込んだ2024~29年度の第3期県立高校再編前期実行計画を決定した。職業系専門高校を中心に12校を5校に統合するが、真岡工業との統合により廃止対象だった真岡北陵の介護福祉科を存続させるなど、一部を修正した。地元から反発が出ていた今市、今市工業、日光明峰の統合は予定通り実施する一方、大学進学を見据えた学習などを充実させる。

 計画は急激な少子化などに対応するため策定し、鹿沼南と鹿沼商工の2校、栃木農業と栃木工業、栃木商業の3校、那須拓陽と那須清峰の2校も統合する。58校ある全日制県立高校は、29年度までに50校になる。統合後の校名などは今後、地域住民や学校関係者らで構成する新校設立準備委員会で検討する。

 統合校の多くを複数の専門学科を併置した「未来共創型専門高校」に再編し、幅広い視野で学べる教育課程を目指す。阿久澤真理(あくさわしんり)県教育長は同日の定例記者会見で「本県の未来を担う生徒一人一人が夢や希望を持って将来の可能性を広げられるよう、より一層魅力と活力ある県立学校づくりに努める」と述べた。

 真岡北陵の介護福祉科を廃止する当初案については、地元や医師会などから存続要望が相次いだため、募集定員を現行の30人から20人に減らした上で新校でも存続させる。敷地は真岡工業を使う予定だったが、同科の存続に伴い面積が広い真岡北陵に変更する。

 今市、今市工業、日光明峰の統合に関し、阿久澤教育長は「子どもの減少などを考えると、定員割れの学校をそのまま残すのは現実的ではない」と理解を求めた。27年度に統合予定の新校にはスポーツや工業、大学進学を見据えた科目など幅広い学習を導入し、特色ある学校を目指す。

 高校で入学選抜がない中高一貫の「中等教育学校」に再編する宇都宮東高・付属中、小山高の2校については、周辺の公立、私立中学校への影響を考慮し1学年の定員を140人から120人に削減した。

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