ホテル立山譲渡へ協議 立山黒部貫光が星野リゾート(長野県)と

星野リゾートへの譲渡に向けて協議することになったホテル立山

 立山黒部アルペンルートを運営する立山黒部貫光(富山市桜町、見角要社長)と子会社の立山貫光ターミナル(同)は9日、ホテル運営の星野リゾート(長野県軽井沢町、星野佳路代表)と、立山・室堂にあるホテル立山の譲渡に向けて協議を開始すると発表した。2~3月に基本合意を結び、詳細な協議を始める。将来的には星野リゾートがホテルを運営する予定。譲渡額は決まっていない。

 ホテル立山は標高2450メートルの室堂にある。1972年9月の営業開始から50年以上たち、施設の改修や耐震工事が必要となっている。立山黒部貫光グループは、ケーブルカーやロープウエーなどアルペンルートの運輸事業でも設備改修費がかさむことから、ホテル立山を手放し、主力の運輸事業や、駅のレストラン・売店事業に集中する。

 国内外で宿泊事業を数多く手がける星野リゾートと連携することで、国内有数の山岳観光地の国際的なブランド力アップも目指す。見角社長は取材に「同じ志を持った仲間と協力していきたい」と話した。

 ホテル立山は立山貫光ターミナルが運営しており、譲渡後に事業計画が具体化した段階で星野リゾートに引き継ぐ。同社の担当者は「将来的な新たなホテル運営など、具体的な内容は今後検討する」としている。

 立山黒部貫光グループは2021年3月にも宇奈月国際ホテル(現グランヴィリオホテル宇奈月温泉)をルートインジャパン(東京)に売却している。弥陀ケ原ホテルは引き続き所有する。

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