曖昧な情報もあえて公表、石川県 安否不明者、増減の理由

石川県輪島市の「輪島朝市」付近で安否不明者を捜索する警察官ら=10日午前

 石川県が公表している能登半島地震の安否不明者数が日々大きく増減し、戸惑いが広がっている。数が急増し、新たな犠牲者が大勢見つかるのではないか、と不安に思う声もあるが、県によると、本人の耳に届いて連絡が来るのを期待し「あの人の姿が見えない」といった曖昧な情報でもあえて公表しているという。

 被災地が広範囲で通信環境も劣悪であること、交通網の寸断で孤立した集落が多数あることから、無事であっても周囲と連絡が取れない人が多い。県危機対策課は「情報が間違っていても結果的にその人が無事だと分かればそれでいい。本当に救助や捜索が必要な人を絞り込むためにやっている」と説明した。

 内閣府の指針では、安否不明者と混同されがちな行方不明者を「災害が原因で所在不明となり、かつ、死亡の疑いのある者」と定義。安否不明者は「行方不明者となる疑いがある者」で、より不確実性が高い状態を指す。石川県ではこの定義に基づき、連絡が取れない人を安否不明者として集計している。

 10日午前9時時点で安否不明者数は68人となっている。

能登半島地震における石川県の安否不明者数の推移

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