大雪像制作開始… でも雪足りる? 積雪は例年の3分の1「何としてもかき集める」 青森・弘前市

大雪像の枠組みを組み立てる自衛隊員ら。弘前公園内の積雪は5センチで地面も見えた=9日午後1時半

 青森県弘前市で2月9~12日に開かれる冬の一大イベント「弘前城雪燈籠(どうろう)まつり」開幕まで1カ月の9日、まつりの目玉となる大雪像の制作が弘前公園で始まった。今年は暖冬の影響で雪が少なく、関係者は大雪像が無事完成するか心配している。

 大雪像を制作するのは陸上自衛隊弘前駐屯地の隊員約70人。この日は大雪像の枠組みを組み立てる作業を行った。雪がうっすらと地面を覆った弘前公園四の丸付近で、同駐屯地の萱沼文洋1等陸佐は「厳しい状況だが、市民の期待に応えなければならない」と隊員たちに呼びかけた。

 今年の大雪像の題材は、北海道函館市の函館ハリストス正教会で高さ10.5メートル、幅12メートル、奥行き6メートル。実際の5分の2ほどのサイズで再現し、必要な雪の量は10トンダンプ128台分を見込む。大雪像に使う雪は例年岩木山麓から集めるが、岩木山麓の積雪は同日時点で例年の3分の1ほどの70センチ。制作を担う同駐屯地の三上伸一1等陸尉は「土が混じっていないきれいな雪が必要。何としてもかき集めたい」と話した。

 まつりでは例年市民が参加し、雪灯籠と高さ2メートルほどの雪像を作る。今年は来月1~8日が制作期間だが、同市の桜田宏市長は9日、今月20日までの雪の降り方を見て予定通りできるか判断する-と説明。市観光課の横山大毅主査は「これからの積雪に期待したい」と語った。

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