鍛錬60年、82歳でも筋骨隆々 加藤勇さん(青森・十和田市)「生きている限り筋トレ続ける」

鍛錬を続け60年余、若々しい肉体をキープしている82歳の加藤さん

 ボディビルフィットネスの世界選手権日本代表総監督や青森県連盟会長などを務めた十和田市の加藤勇さん(82)は、十和田フィットネススポーツクラブの経営を退いた現在も鍛え続け、筋骨隆々たるボディーと張りのある肌を維持している。少年時代は肺炎で苦しんだが、鍛錬を続けて60年余。「言葉で語るよりも体を見せて、自分は80歳を過ぎてもこうだから若い人も頑張れ-と励ます方が説得力がある」と、会員の指導にも余念がない。新年を迎え「今年は昨年以上に高校生やスポーツをする人、社会人など幅広い層にウエートトレーニングの重要性を広めたい」と語っている。

 加藤さんは県連盟や東北北海道連盟の会長、日本連盟の理事などを歴任。2001年と02年には世界大会の日本代表総監督兼審査員を務めた。02年に日本連盟の特別功労賞、11年には日本体育協会のオリンピック委員会創立100周年記念功労賞を受賞した。20年、スポーツクラブの設立50周年を機に、健康運動指導士の資格を持つ次女・智子さん(48)に経営を譲った後も、自らの肉体の鍛錬を欠かしていない。

 「若い時は100~130キロのバーベルで鍛えた」と言うが、現在は5~10キロのダンベルで軽い筋トレを行うのが日課。胸筋と背筋のバランスに気をつけながら筋肉を鍛えると、常に胸を張る状態になり、姿勢が良くなるという。

 筋トレと並行して重視しているのが食生活だ。特に「朝食は金、昼食は銀、夕食は銅」と、朝食の重要性を強調。ビタミン豊富な野菜を中心に、肉や卵など筋肉のもととなるタンパク質の摂取も欠かさない。

 鍛錬の一方で、智子さんと共に同クラブで高校生や年配者、女性など幅広い層に対し、一人一人に合うトレーニングを指導する。加藤さんは「全てのスポーツの基礎は筋トレ。筋肉は体の土台」と力説。「けが防止と基礎体力づくりのためにも筋トレは必須。筋トレは決して筋肉マンのためだけのものではない」

 加藤さんは「80歳までトレーニングして、いい体をつくる」を目標に鍛え続けてきた。目標をクリアした現在も、腰を痛めてはいるものの「生きている限り筋トレを続ける」と力強く話す。「筋肉は使わないと退化し、使い過ぎると組織を破壊し、適度に鍛えると発達する-という3原則を念頭に、年を取っても自分に合った鍛え方で若さを維持できる」

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