新庁舎、5月7日に開庁 和歌山県田辺市、高台に移転

新庁舎を5月7日に開庁すると発表した真砂充敏市長(9日、和歌山県田辺市役所で)

 和歌山県田辺市は9日、建設中の市役所新庁舎について、5月7日に開庁すると発表した。記念式典は4月29日に開く。真砂充敏市長は記者会見し「命をつなぎ、人をつなぎ、明日へつなぐ。市民の皆さんに長く愛される庁舎となることを願っている」と語った。

 新庁舎は2021年12月に起工。東山1丁目の高台(海抜約19メートル)に建設しており、3月末の完成予定。

 免震構造の鉄筋コンクリート造り、地上6階建て(延べ床面積約1万7千平方メートル)。南海トラフ巨大地震の津波浸水想定域にある現庁舎(新屋敷町)と市民総合センター(高雄1丁目)、水道事業所(高雄3丁目)の機能を統合する。

 1階には屋内駐車場と多目的ホール、2階には保健センター、3階には市民窓口フロアを設け、6階には議場が入る。

 災害時の対応は、現庁舎から大きく変わる。市長室やオペレーションルームがある5階は災害対策本部、1階は一時避難フロア―など、災害時に必要な機能をフロアごとに分けており、いざという時には速やかに機能転換する。

 また、市民の交流を生む庁舎も目指す。3階にはカフェや売店、6階には市街地が見渡せる展望テラスと、気軽に立ち寄れるスペースを設けるという。

 現庁舎での業務は、5月2日が最終日となる。引っ越し作業に伴い、大型連休期間中は市民総合センターの貸し館利用を休止する。

 新庁舎整備の総事業費は、現時点で125億7千万円。

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