ウエーティングすらおもしろい? 「ワクワク」金谷拓実はパリ五輪もあきらめない

欧州参戦の前に4度目の「ソニーオープン」へ(撮影/田辺安啓(JJ))

◇米国男子◇ソニーオープンinハワイ 事前(9日)◇ワイアラエCC(ハワイ州)◇7044yd(パー70)

日本ツアーの賞金ランキング3位の資格で今季からDPワールドツアー(欧州ツアー)に参戦する金谷拓実だが、その初戦はまだ決まっていない。年明けのスタートになるアラブ首長国連邦での3連戦のうち、最初の2試合はフィールド入りがかなわなかった。3試合目の「ラアス・アル=ハイマ選手権」(25日~/アルハイマGC)も、11日(木)のエントリー締め切りを待たなければ状況が分からないのだという。

クラブセッティングは不動。オフは「左のミス」への対策に取り組んできた(撮影/田辺安啓(JJ))

その後、バーレーン、カタールと続く中東の試合も「出られるなら、もちろん出たい」。もどかしいようでいて、アマチュアから“王道”を歩んできた25歳は新たなチャレンジにいたってポジティブだ。「ウエーティングとかって、なかなか経験したことがない。そういったものを含めて、いろんなことが経験できる。ワクワクしています」

日本で戦っていれば、自らがターゲットに据える試合から逆算してスケジュールを組むことができ、ピークを合わせる調整もしやすい。しかし、出場優先順位が低い欧州での金谷は一戦一戦が正念場になる。「準備して、いつでもいい状態で臨めるように。(チャンスは)いつ回ってくるか分からないですから。でも、それもすごく面白いのかなって」と笑う。

右手首のウェアラブル端末はこの冬から(撮影/田辺安啓(JJ))

久常涼のように年間ポイントレースで上位に食い込んでPGAツアー出場権を勝ち取る道の途中には、8月に開催される「パリ五輪」もある。3年前の東京五輪は星野陸也との争いに敗れ、代表の座を逃した。「東京では“ひと番手”足りなかった。特にそういう(五輪への)気持ちはあります。あと半年、自分らしいプレーをずーっと続けていけば、ランキングも上がる」。日本勢6番目からの逆転を諦めていない。

この冬から、回復状態や睡眠の質を計測するウェアラブル端末「ウープ(WHOOP)」を装着するようになった。「きょうは98%。元気なんで」。海外で結果を残す難しさは身をもって知っている。それでも、前を向いて挑み続ける。まずは、アマチュア時代を含めて過去3大会とも予選カットラインに跳ね返されたこの大会だ。(ハワイ州ホノルル/亀山泰宏)

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