建築・建設業者の仕事始めの儀式「太子祭」が10日、栃木県大田原市山の手2丁目の大田原神社で行われ、大工たちが伝統的な道具を使った建築技法を披露し、一年の作業安全や商売繁盛を祈った。
建築の神様とされる聖徳太子(しょうとくたいし)を祭る同神社で、1978年に始まった新春の恒例行事。今年は、主催する市太子講や大田原商工会議所などの関係者ら約60人が参列した。
烏帽子(えぼし)に狩衣(かりぎぬ)姿の大田原大工組合員10人が、木やり唄に合わせて長さ約4メートル、直径約30センチのご神木を担いで太子碑の前に設置。神事の後、伝統的な道具を使ってご神木を角材に仕上げる「釿始之儀(ちょうなはじめのぎ)」を執り行った。寸法を測り「大田原」「天長地久」「水」の文字を宙に書いた後、のこぎりやおのなどで形を整えていった。
市太子講の竹内義美(たけうちよしみ)会長は「今年は運勢が良いとされる甲辰(きのえたつ)。与えられた環境の中で実力を発揮して、繁栄と飛躍の一年になることを期待している」と話した。