写真家ナン・ゴールディン 巨大な資本を相手に戦う姿描く 「美と殺戮のすべて」公開決定

ヴェネツィア国際映画祭で最高賞の金獅子賞を受賞した映画「美と殺戮のすべて」が、2024年3月29日より劇場公開されることが決まった。

「美と殺戮のすべて」は、写真家ナン・ゴールディンが巨大な資本を相手に声を上げて戦う姿を描き出した作品。2018年3月10日、ゴールディンは多くの仲間たちとニューヨークのメトロポリタン美術館を訪れていた。目的の場所は、製薬会社を営む大富豪が多額の寄付をしたことでその名を冠された展示スペースである「サックラー・ウィング」。到着した彼女たちは、「サックラー家は人殺しの一族だ!」と声を上げながら、「オキシコンチン」という鎮痛剤のラベルが貼られた薬品の容器を一斉に放り始める。

「オキシコンチン」は「オピオイド鎮痛薬」の一種で、全米で50万人以上が死亡する原因になったとされる”合法的な麻薬”。1970年代から80年代のドラッグカルチャー、ゲイサブカルチャー、ポストパンク/ニューウェーブシーンなど、当時過激とも言われた題材を撮影し、その才能を高く評価され時代の寵児となった写真家のナン・ゴールディンの、大切な人たちとの出会いと別れ、アーティストである前に一人の人間としてゴールディンが歩んできた道のりが明かされる作品となっている。

【作品情報】
美と殺戮のすべて
2024年3月29日(金)、新宿ピカデリー、ヒューマントラストシネマ有楽町、グランドシネマサンシャイン池袋ほかロードショー
配給:クロックワークス
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