玉城デニー知事「新基地建設を直ちに中止し対話を」 国の大浦湾埋め立て着工を受け

 沖縄県の玉城デニー知事は10日午後、県庁で会見を開き、沖縄県宜野湾市の米軍普天間飛行場返還に伴う名護市辺野古への新基地建設で、沖縄防衛局が同日正午すぎに軟弱地盤が広がる大浦湾側の埋め立てに着工したことを受け、「必要性や合理性のない工事の強行がもたらす甚大な問題を直視して新基地建設を直ちに中止し、問題解決に向けて県との対話に応じるよう強く求める」とコメントした。

 護岸工事の実施設計と環境保全対策に関する事前協議が開かれない中で着工されたことに「誠に遺憾だ」と述べた。

 県は、防衛局が昨年9月に申し出た事前協議に対し、当時は係争中を理由に対応を保留していたが、今月6日までに応じる方針を固めていた。一方、木原稔防衛相は協議書の提出以降、協議はしているとの認識だとの考えを示し、県側との見解が食い違っていた。

 林芳正官房長官が同日午前の会見で地元へ丁寧に説明すると発言したが、これまで面会の機会がなかったことに触れて玉城知事は「一方的な文書の送付が重ねられるばかりで、丁寧な説明とは到底真逆の極めて乱暴で粗雑な対応がなされたと言わざるを得ない」と批判した。

沖縄県名護市の辺野古新基地建設で大浦湾側の埋め立て工事が始まったことに対し、受け止めを述べる玉城デニー知事=10日午後4時半過ぎ、那覇市の県庁

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