ホテルのロビーが1m隆起 朝市も大火…「小さいころ遊んでいた場所がなくなちゃった」【被災地ルポ…石川・輪島市】

能登半島地震で甚大な被害が出た石川県輪島市では、9日から大規模な捜索活動が始まりました。10日午後2時時点で災害関連死を含んだ死者は206人、52人の安否がわかっていません。

大規模火災の輪島朝市は8日たっても「焦げ臭いにおい」

和田佳代子記者(石川・輪島市 9日):「地震の直後に大規模な火災が発生した輪島朝市です。きょうで地震から8日経つが、あたりはいまだに焦げ臭いにおいが立ち込めている」

「輪島朝市」では、9日から一斉捜索が始まりました。午後2時時点で、連絡の取れていない安否不明者は、石川県全体で52人に上りますが、そのうち41人が輪島市に集中しています。

朝市の近くにあった家が燃えた85歳の女性。知り合い2人の安否がわかっていません。

女性:「ただ涙だけが出る。悲しくて。本当に火事を恨みます。火事さえなければ・・・」

ホテルのロビーが隆起

和田佳代子記者(石川・輪島市 8日):「輪島市杉平町のホテルです。あちらのガラス戸は割れ、外壁は崩れています。そして、入り口はななめに傾いていて、被害の大きさがうかがえます。入り口には門松が置かれたままになっていて、時が止まっているように感じます」

観光スポットにも近く、普段は観光客でにぎわう石川県輪島市のビジネスホテルも被害を受けていました。

ホテルメルカート輪島 谷口浩之常務:「ここも正面玄関なんですけど、こんな斜めの作りではなくて…」

建物は傾き、厚いガラスもほとんど割れていました。

ホテルメルカート輪島 谷口浩之常務:「ここがこんな風な作りではなく、フラットな床だった。1mくらい隆起して、全体的にロビーはうねりになっている」

じゅうたんをめくると、大きなヒビが入っているのがわかります。ドアは大きくゆがみ、壁にも無数の亀裂が走っていました。コロナ禍で減った客足がようやく回復してきた矢先の災害でした。

ホテルメルカート輪島 谷口浩之常務:「朝市も大火事になって、全くお店も(涙こらえる)…ない街並みになって、小さい頃からあの辺で遊んでいたりしたところが、なくなっちゃったので、本当に悲しいなというのと、やるせないなというのが、誰のせいでもないし、しょうがないよって思う」

ホテルメルカート輪島 谷口浩之常務:「こんな状況なので、どこまで頑張れるかが、長い戦いになるなと思うけど、僕だけじゃないので、輪島の地元の人たちが明るく笑顔で、生活できるようにならんと、皆さんに笑顔で来てくださいと言えないので(泣き)、それまで長い支援お願いします」

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