滑走路、誤進入対策に海保不参加 07年の「教訓」、共有不十分か

焼け焦げた海上保安庁の航空機周辺に集まる警視庁の捜査員や東京消防庁の隊員ら=3日、羽田空港

 国内の空港で2007年に滑走路への誤進入が相次いだ際、再発防止に向けて国土交通省と航空関係者が立ち上げた対策チームに、海上保安庁が参加していなかったことが10日、国交省への取材で分かった。羽田空港で海保と日航の航空機が衝突した事故では、海保機が誤進入した可能性が指摘されており、再発防止策が十分に共有されていなかったとみられる。

 国交省は07年9~11月に大阪(伊丹)、関西、中部の各空港で航空機の滑走路への誤進入が発生したのを受け、対策検討会議を立ち上げた。管制官とパイロットのコミュニケーションの齟齬を防ぐ方策などの再発防止策を打ち出し、こうした防止策の実施状況をフォローするチームの創設も決定。08年4月に大手旅客事業者や定期航空協会、個人が入る日本航空機操縦士協会が加わって発足した。国交省は「11年3月にいったん役割を終えた」と説明している。

運用を再開した羽田空港のC滑走路=8日

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