取手駅にホームドア 茨城県内JRで初 エレベーターも増設 バリアフリー進む

JR取手駅に設置されたホームドア(JR首都圏本部提供)

茨城県取手市のJR常磐線取手駅で、ホームからの転落などを防ぐホームドアが設置され、運用が始まった。茨城県内のJR駅で初めて。同駅ではエレベーターを増設するなど、バリアフリー化が進められている。

ホームドアは各駅停車の列車が発着する1、2番線に設置され、9日夕に稼働した。スマート型と呼ばれる新型で、製造コストを削減できるなどのメリットがあるという。

ホームドア本体の高さは約120センチ。利用者と列車の接触、線路への転落などを防ぐため、設置が進められている。

JR東日本首都圏本部は管内在来線の主要路線330駅で、2031年度末ごろまでにホームドアを整備する方針。取手駅はこの330駅に県内で唯一含まれている。

同駅の22年度の1日平均乗車人員は約2万2千人に上り、茨城県内JRでは水戸駅の約2万5千人に次いで2番目に多い。取手駅を除き、県内広域を管轄するJR水戸支社は「駅の利用状況などに応じて必要性を見定めていきたい」としている。

取手市は現在、駅西口周辺再開発事業として、JRと協力し、駅前整備やバリアフリー化を推進。市は全体工事額の3分の1に当たる約4億円を補助し、ホームドアとエレベーターの整備を進めてきた。

同駅構内のエレベーターは、これまで3~6番線に通じる2基のみだったが、本年度に東口改札脇に1基増設。さらに3月には1、2番線ホームの土浦寄りにもう1基整備する。これまで車椅子の利用者は、地下通路を使って西口に行かなくてはならず、改善が求められていた。構内のエレベーターが計4基となることで、全てのホームへの経路がバリアフリー化されることになる。

駅西口周辺再開発事業では、ラウンドアバウト(環状交差点)型の新交通広場を整備しており、春ごろに完成する予定。合わせて、西口改札と直結するペデストリアンデッキにエレベーターが増設され、計2基となる。

市は「誰もが利用しやすい取手駅」として、利便性や安全性の向上を目指す。まちの顔となる駅周辺を整備することで、「県の玄関口」としての存在感を高めたい考え。

中村修市長は「コストなどを考えると、今回の整備が最善策。駅の利便性を向上させ、取手の魅力をさらに高めていきたい」と話した。

新たなエレベーター(中央)など整備が進む取手駅西口=取手市中央町

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