110番通報最多、21万件 茨城県内 23年、3万件は「不急」

茨城県警察本部=水戸市笠原町

茨城県警が2023年の1年間に受けた110番通報の有効受理件数は前年比12.7%増の21万819件となり、統計を始めた2008年以降で最多だったことが10日、県警のまとめで分かった。新型コロナの5類移行に伴う人流回復の反動とみられるという。全体の14.1%に当たる2万9752件は不急の通報だった。

県警通信指令課によると、間違い電話などを含む総受理件数は同11.8%増の24万4598件。2分9秒に1件、1日平均670件を受けている計算になる。

有効受理件数のうち、交通事故をはじめとする「交通関係」(6万6206件)が最も多く、全体の31.4%を占めた。事件などの「刑事関係」(1万5665件)は同7.4%。「不急通報」は、運転免許証の更新に関する問い合わせや就職相談などが含まれるという。

県警は昨年4月以降、110番通報者がスマートフォンで撮影した動画などを送れる通報システムを本格運用している。昨年に活用された189件のうち139件が、保護や救護に関する動画通報だった。中には、体調不良で動けなくなった単独登山中の女性が提供した画像で位置情報が割り出され、救護隊が駆け付けられた事例もあった。

同課は「通報者の安全を第一に、撮影や送信を依頼された場合は協力してほしい」としている。

© 株式会社茨城新聞社