馬のお世話中に負いやすい怪我とそれぞれの予防策

馬のお世話はお好きですか?
乗馬クラブの馬の中には、馬房内に入ると威嚇する馬や、蹄洗場で蹴る馬など気性が激しい馬がいることがあり、そのような馬のお世話は非常に怖く感じるものです。

今回は、馬のお世話中の怪我やその予防策についてまとめました。

噛まれる

馬の中には、噛む癖のある馬が意外に多いものです。
基本的には乗馬用に訓練された馬は大人しい馬が多いのですが、若い馬や環境に慣れていない馬は神経質になっているため、お手入れをしている時や馬房に近付いた際に噛んでくる場合があります。また、腹帯をつける際に嫌がったり、馬装で後ろを向いたすきに噛んでくることもあります。

本来、馬は臆病で神経質な動物です。大きな音でびっくりさせると、暴れたり噛まれたりします。
馬にはキバが無いものの、大きな歯を持っています。またアゴの力も強いので、思い切り噛まれたら指の骨が砕けるか、食いちぎられてしまいます。

予防策としては、噛み癖のある馬の前にいきなり手を出さず、近付くときには馬の名前を呼び、声をかけながら少しずつ近付きます。大声を出したり、急に近づいたりしてはいけません。
またお世話する時には、ジャンパーやトレーナーなど長袖のものを着用することをおすすめします。

腹帯を嫌がる馬は、最初は緩めに締め、馬の様子を見ながら徐々に締めていきます。
ご褒美のおやつをあげる際には、噛まれないように指で持つのではなく、手のひらに載せて与えましょう。

蹴られる

嚙む馬よりも注意が必要なのが、蹴る馬です。

馬に噛まれても死ぬことはありませんが、馬に蹴られたら最悪の場合、命を落とす危険性があるからです。

馬の視野は約350度とかなり広いのですが、真後ろは死角となっていて見えません。そのため見えない場所に立ってしまうと、馬は身を守るため本能的に蹴ることがあります。
蹄洗場などで不用意に馬の後ろに立たないようにしましょう。

裏堀りをしている時に肢を振る馬がいます。
最初のうちは上手く出来ないこともあるので、無理せずインストラクターにお願いしてみましょう。

また夏場などは、虫を嫌がって肢を振る馬がいます。馬は蹴るつもりがなくても、近くにいることで蹴られてしまう場合があります。

手入れ中は常に馬の動きに注意し、危険を感じたらすぐに離れられるよう適度な距離感を保ちながらお手入れして下さい。
万が一の場合に備えて、お手入れ中もヘルメットをかぶることをお勧めします。

踏まれる

クラブ馬には肢癖の悪い馬もいます。ばたばたと足踏みをして威嚇をしたり、わざと人間の足を踏もうとする馬もいます。
また馬を馬房から蹄洗場へ移動する際、馬房の中や蹄洗場に入る時に足を踏まれるケースが非常に多く、お手入れ中に一度は足を踏まれる経験をされている方も多いのではないでしょうか?

馬の体重は約500kgなので、1本の肢あたり約120㎏の体重を支えていることになります。馬体重が四分の一に分散されているとはいえ、踏まれるとかなりの激痛を伴うのはもちろんですが、踏まれ方によっては足の指を骨折する場合もあります。

馬に足を踏まれたらパニックになってしまうかもしれませんが、もしも足を踏まれたら、すぐ馬の肩を押して下さい。そうすれば馬は動いてくれます。

予防策としては、つま先に鉄板が入っている安全靴タイプのブーツや長靴を履くことをおすすめします。

保険への加入

事故が起きた場合に備え、保険(傷害保険や個人賠償保険など)にあらかじめ加入しておくことも大切です。
馬の世話や乗馬レッスン中に事故が起きてしまった場合、病院での治療や入院が必要になるかもしれません。治療費や入院費は、傷害保険に入っていればカバーすることができます。

乗馬クラブによっては、騎乗日のみ有効の傷害保険への加入を勧めている場合もあります。安価な上にもしもの時に安心感が得られ、心強いものです。

乗馬用の傷害保険には様々な商品があるので、興味があれば是非調べてみて下さい。

まとめ

いかがでしたでしょうか?

今回は怪我の予防策についてまとめました。
乗馬は落馬などの危険が伴うスポーツですが、レッスンや競技中以外のアクシデントによる怪我も多いです。

乗馬を始めたばかりなのに、怪我をして馬が怖くなってしまうことがあっては残念です。
お手入れ中と言えども何が起こるかわかりません。馬の世話をしている時には常に馬の動きに注意を払うことで、馬による怪我は十分に防ぐことができます。

馬の行動を理解し、これからも馬のお世話を楽しんで下さい。

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