「変化する街に期待」2024年の広島 財界トップに聞いた

3連休も終わり、9日から2024年が本格的に動き出しました。物価高騰などさまざまな課題があるなか、広島はどんな年になるのでしょうか。

4日、4年ぶりに通常開催された広島商工会議所の新年互礼会で、経済界のトップに聞きました。

新年互礼会は人数制限などもなくなり、1170人が出席しました。ことしのテーマについて、まずは新年互礼会の主催者のこの方から…

広島商工会議所 池田晃治 会頭
「ことしは経済の正常化、成長と分配の好循環を起こすということですね。そのためには賃上げと価格転嫁をきちっと進めていくということが大事かなと」

中国電力 中川賢剛 社長
「昨年来、ウクライナ問題や中東情勢などエネルギーをめぐるさまざまなリスクが生じています。そうしたリスクに柔軟に対応できるよう、強じんさを備えた対策とか、会社になっていきたいということをことしの抱負にしております」

ひろぎんホールディングス 部谷俊雄 社長
「結ぶということです。これは、グループ内での融和、いわゆるグループ内での人事交流、あるいは経営と一般社員との交流、あるいは地域と取引先とのリレーション強化、いろんな業態とのアライアンス強化という観点で “結ぶ” というふうにさせていただきたい」

広島電鉄 椋田昌夫 社長
「人手不足はもうずっと前から言われてきたことです。そして、ここへ来て特に厳しくなったのは事実です。いろんな乗り物を組み合わせて、若い人もお年寄りもスローモビリティも含めて移動しやすい町を作り変える。そのためには、大型バスの運転手さんが足りないよということではなくて、小型の運転で十分お客さんも移動できるようなシステムが新しく提案できたらいいなと思っています」

にしき堂 大谷博国 社長
「ことしは新年早々、震災ですとか事故があったりして、いろんな課題がこう押し迫っているんですけど、それを乗り越えていこうと。われわれみんなで力を合わせて乗り越えていくことが大切なんじゃないかなということで、この ”越” という字にさせていただきました」

物価の安定に向けた「金融政策のかじ取り」を担う日本銀行の支店長は…

日本銀行広島支店 井上広隆 支店長
「まず、ホップっていうのは昨年のG7サミットなんだと思います。ステップは、サッカースタジアムの建設をはじめとする、ことし実現するいろんなインフラっていいますか、それを表しています。ジャンプ、来年こそ駅が本格的に新しくなって路面電車も駅に乗り入れ、広島市全体として大きく飛躍する年になると思っています。そうした意味では、ホップ・ステップ・ジャンプの重要な第一歩として2024年、ステップの年と位置づけています」

元流通大手のイズミは、2025年度までの中期経営計画を継続中です。

イズミ 山西泰明 社長
「新規投資、オープンの投資、これを少し今のコスト高があるので、ことし・来年で約20店舗オープンしますけど、抑えて、その分、既存店を中心に投資をすることと、あとはM&Aということで対応していくということで今、考えております」

今年度、営業利益・純利益とも過去最高を見込むマツダ。賃上げにも前向きな姿勢を見せました。

マツダ 毛籠勝弘 社長
「円安、その他の影響はあるにしろ、外形的にはいい数字が出ているということで、これは従業員だけではなくて、地域経済も含めていろいろな期待もあるということは重々承知をしているということでございます。本日、どれぐらいという数字は申し上げませんが、しっかりと還元、果実というのは分かち合えるような方向にしていければというふうに考えております。ぜひ見守っていただければと思います」

ことし、広島にとって大きな話題の1つが、新しいサッカースタジアムです。

サンフレッチェ広島 仙田信吾 社長
「東にマツダスタジアムがあって、西にエディオンピースウィング広島があって、そういう中でわれわれが西で大きく羽ばたいていくこと、まさに翼を広げていくことが本当に大事だと思っています」

広島ドラゴンフライズ 浦伸嘉 社長
「サッカースタジアムできて、われわれもその後にグリーンアリーナがホームになると、人の流れであったり、スポーツ観戦が日常になっている方々がたくさん集まってきていただけます」

広島東洋カープ 松田一宏 オーナー代行
「サンフレッチもそうですし、ドラゴンフライズもまたことし、大事な1年だと思います。その中でスポーツがみんな力を合わせて、それぞれしっかりと広島に元気をもたらせるようなことができれば、いい1年になるんじゃないかと思っています」

広島経済の舵取り役もスタジアムの話題になると表情を緩ませていました。

中国電力 中川賢剛 社長
― サッカースタジアムが新しく稼働するが?
「広島にとってものすごくいい話だと思います。マツダスタジアムに加えて、このような立派なサッカースタジアムができたっていうことは、広島市民として誇りに思いますし、われわれもしっかり応援していきたいと思っています」

マツダ 毛籠勝弘 社長
「わたし自身は、まだ外からながめるだけということで、工事が日々、進捗してるなというのを見ておりましたけど、近いうちに中も見られることを楽しみにしています」

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青山高治 キャスター
「不安定な国際情勢、物価高、賃上げ、人手不足、2024年問題など経営者のみなさん、さまざまな課題を抱えていますが、サッカースタジアムなど街作りに話題を変えると表情がパッと明るくなり、広島が盛り上がるとの期待感を感じました。番組では、ことしも進化する広島の街作りについて取材していきたいと思います。

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