青森県の風力発電量、3年連続日本一 2022年度、全国の2割占める

 経済産業省資源エネルギー庁の電力調査統計によると、青森県は2022年度、風力発電量が約14億8千万キロワット時で3年連続の日本一となった。国全体の風力発電量約74億3千万キロワット時の2割程度を占める。2番目は北海道の約11億4千万キロワット時。22年度末時点で県内の風力発電所数は50カ所で、最大出力の合計約69万9千キロワットも全国最多となった。

 青森県の風力発電量は20年度が約14億5千万キロワット時、21年度が約12億6千万キロワット時。22年度は県内で3万キロワット超の大型発電事業が運転を複数始めたことで、県全体の最大出力合計を21年度末から約6万8千キロワット押し上げた。

 一方で23年度は9月分まで公表済みだが、青森県の発電量は前年同期を下回っている月が多い。県エネルギー開発振興課によると、風の強さといった天候以外の要因として、大型風車の建て替えが相次いだことで22年度から発電出力ベースで1割程度減少した影響もあるとみられる。月ごとの発電量は4月を除き、北海道が青森県を上回っている。

 風力発電を巡っては県内で新たな動きが相次ぐ。八甲田周辺での計画は地元の強い反発を受けた事業者が白紙撤回。宮下宗一郎知事は再生可能エネルギー新税制度、立地禁止区域を設けるゾーニング条例の整備を表明した。洋上風力発電は、国が優先整備する「促進区域」に青森県沖日本海南側海域が県内で初めて指定された一方、陸奥湾での事業計画に絡む汚職事件も発覚した。

 22年度の風力を除く青森県の発電実績は、太陽光が約6億2千万キロワット時(全国15番目)などで、火力や水力も含めた総発電量は約58億4千万キロワット時(同35番目)。全国最多は、火力が大半を占める千葉県の約782億6千万キロワット時だった。

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