入院患者76人の集団胃腸炎 複数人からノロウイルス検出 青森県立中央病院

 青森県立中央病院(青森市)で、複数の入院患者に感染性胃腸炎の症状が出ていたことを巡り、県病院局や青森市保健所は10日、症状を訴えていた複数の人の便から、ノロウイルスを検出したと明らかにした。保存していた食事や院内の調理室からはウイルスが検出されなかったため、市保健所は「食中毒ではなく、ノロウイルスに感染した人から広がったと推定される」としている。

 県病院局によると、昨年12月31日から今月9日までの10日間で、嘔吐(おうと)や下痢などの症状が現れた入院患者は合わせて76人。中等症だった1人を含め、全員が回復に向かっているという。

 市保健所は県病からの連絡を受け、3~8日に病院への立ち入り、検体の検査などで原因を調べた。病院側には院内の衛生対策への注意をあらためて促した。県病は、ドアノブなど手で触る頻度が高い場所の消毒や、職員の手洗い励行などの感染対策を行う。

 入院患者向けの食事については、調理室を消毒し、12日までは主食のみを調理し、おかずは院外から調達して提供する。13日から通常の調理体制に戻す予定。

 ノロウイルスをはじめ、胃腸炎ウイルスの感染は一年を通して発生する。市保健所は、トイレに行った後の手洗いや、食品の衛生管理などの感染対策に注意を払うよう呼びかけている。

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