「寄付して」能登支援かたる不審電話相次ぐ 便乗詐欺や悪質商法、兵庫県警が注意呼びかけ

兵庫県警察本部=神戸市中央区

 能登半島地震の被災地支援を名目とした不審な電話を受けたとの相談が、兵庫県警に県内から複数寄せられていることが分かった。地震に便乗した義援金詐欺や悪質商法の発生が全国で懸念されており、注意を呼びかけている。

 兵庫県警によると、11日時点で少なくとも4件の相談があった。いずれも固定電話に「被災地に送りたいので、お皿を買い取らせてほしい」「皿や服を支援するので寄付してほしい」などと連絡があった。家人が断ると「玄関で話がしたい」「家に行かせてほしい」と求めてきたという。

 県警は「公的機関などが個別に電話や訪問で寄付を求めることは基本的にない」と説明。不審な電話に出ない▽訪問があっても家に入れない▽個人情報を教えない▽身分証の提示を求める-などの対策を挙げ、「電話を一度切り、1人で判断せず警察や家族に相談して」としている。

 警察庁も注意を呼びかけている。具体的な手口として、公的機関や災害支援団体をかたり、義援金名目で現金や電子マネーをだまし取る▽被災者の親族や友人を装い、困窮を理由に送金を求める▽災害時に必要な物品販売や家屋修繕について、うそを交えたり不安をあおったりして契約させる-などの例を挙げている。

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