廃部寸前から復活! 高校吹奏楽部が“感謝”の演奏会を開催(静岡県)

現在5人で活動している静岡西高校の吹奏楽部は、廃部寸前だった部活を、復活に導いてくれた卒業生や保護者などに感謝を伝えるため、2023年末、静岡市で演奏会を開きました。

ホテルの控室で演奏会の準備をしていたのは静岡西高・吹奏楽部の生徒5人。

「頑張るぞ!おー!」

(静岡西高校 吹奏楽部 小玉美乃 部長・3年)

「定期演奏会自体もできるとは思っていなかったので、できることにすごく喜びを感じている。とにかく悔いが残らないように自分の中にある力を精一杯出し切れたらと思う」

静岡西高校の吹奏楽部は、数年前まで20人を超える部員がいましたが、コロナ禍など、部活動を取り巻く環境の変化もあり、2022年度、部員がいなくなり、廃部の危機に…しかし、卒業生や顧問の呼びかけにより、2023年3月、現在部長を務める小玉美乃さんが入部。さらに、2023年度からは1、2年生4人が新たに入部し、現在は5人で活動しています。

部活動を再開できるようになり、吹奏楽部の顧問・永倉恵教諭は、廃部寸前だった吹奏楽部を支えてくれた卒業生や保護者などに感謝を伝えたいと考えていました。

(静岡西高校 吹奏楽部顧問 永倉 恵 教諭)

「生徒も感謝の気持ちでいっぱいだと前面に伝えたいのと、ことし1年は初心者が多い中で何とか部活をやりくりしてきたので、その姿を見てほしい」

そこで見つけたのが、ホテルアソシア静岡が感謝を伝える場所を無料で提供する開業40周年記念の企画でした。思い切って応募してみると、見事に当選し、2023年末の26日、定期演奏会を開催することになりました。

そして、迎えた本番。

定期演奏会は、吹奏楽曲「アルタミラ」で幕を開け、部員と先生の計8人が、「花は咲く」や「パプリカ」などクラシックやポップス12曲を披露しました。会場には保護者や友人など約100人が集まり、あたたかい手拍子や歓声が送られるなど、会場は大いに盛り上がりました。

(静岡西高校 吹奏楽部顧問 永倉 恵 教諭)

「無事終わってよかった。生徒が本当によくやっていたので、それが見られてほっとしている」

(静岡西高校 吹奏楽部 小玉美乃 部長・3年)

「精一杯の力を出し切れたと思うので、悔いは残っていない。入部してよかったなと本当に心の底から思った」

会場で演奏を聞いた人は…

(観客)

「少ない人数で曲数があんなに多くてびっくりした。やっぱり音楽は人に感動を与えるのだなと、来てよかったなとつくづく思いました」

また、会場には、最後の演奏会を聴こうと、3年生小玉さんの家族の姿もありました。

( 小玉美乃さんの祖母)

「迫力あった。この人数の割には聴き応えがあってすごくよかった。いい思い出になりました」

これからは、小玉さんが引退し、4人での活動となる吹奏楽部。今後の部活動に対し、後輩の思いは…

(静岡西高校 吹奏楽部 魚住頼臣 さん・2年)

「人が増えたら表現力も変わるし、いっぱいいた方が音楽は楽しいので、部員は増えてほしい。雰囲気は変えずに、もっと高みを目指せたらなと思います」

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