2024年、与野党の代表選の行方は○○次第?!選挙プランナー松田馨氏が解説 選挙ドットコムちゃんねるまとめ

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2024年1月10日に公開された動画のテーマは「2024年、与野党の次の代表を予測!」ゲストに選挙プランナーの松田馨氏をお招きし、各党の代表選の注目ポイントについてお話いただきました。

今年は各党の顔となる代表選挙が集中します。ご注目ください!

【このトピックのポイント】
・2024年は各党の代表選挙が目白押し。4年ぶりに開催される共産党大会・公明・立憲の代表選のゆくえは?
・9月には自民党総裁選。衆院選解散の一手をどう考えるか?
・ポスト岸田は誰になる?

共産・公明・立憲……各党の代表選挙のゆくえは

今年は自民・立憲・公明で代表選が開催されます。また、4年ぶりに共産党党大会も開催されます。

まずは1月15日から開催される共産党の党大会。23年もの間にわたり共産党の顔を務め、ゲストの松田馨氏が「私がこの仕事を始めた時には志位委員長。変わるのは想像できない」と語る志位委員長ですが、衆院選を見据え、いよいよ交代するのではとささやかれています。

次の委員長としては、田村智子参院議員の名前が挙がっています。また、知名度や役職でいえば小池晃氏(党中央委員会書記局長)も候補となり得るでしょう。

続いて、9月に代表選挙を実施する公明党も、山口那津男代表から交代かとの声が上がっています。

2009年、当時の公明党代表だった太田代表の落選を受け、代表に就任した山口氏。14年代表を務めた山口氏も、今回は「さすがに(今回、代表が)変わるのではないか」というのが松田氏の見立てです。

「公明党も与党の一角として、代表選をやらないのはもったいない」としながら、「選挙戦で内部分裂し、しこりを残すのを心配している」可能性を指摘する松田氏。安定感のあるベテランと優秀な若手人材がたくさんいる現在、開かれた代表選挙を行えばイメージアップにつながるのではないか、と提案します。

MC鈴木邦和「公明党が分裂を恐れて代表選をやらない理由は?」

松田馨氏「新進党時代のトラウマが……もったいないですよね」

公明党で、山口代表の後継としての最右翼は石井啓一幹事長ですが、衆院解散総選挙が行われるかどうか、行われた場合はその時期によって大きく変わることが予想されます。

仮に衆院選が先にあって、そこで公明党が苦戦すれば、若手や女性の抜擢といった大きな路線変更が起こるかもしれない、と松田氏は予測します。

MC鈴木「選挙の顔として見た時には……」

松田氏「なっちゃんの人気、絶大ですよね」

党の代表クラスとなると、石井氏に次ぐ人材がなかなか見つからない公明党。なかなかこれといった人材が見つからないのも、予測を難しくしそうです。

続いて立憲民主党の代表選挙は11月。泉代表が続投できるかどうか、ですが……

MC鈴木邦和「衆院選次第ですよね、ホントね」

泉代表は、代表就任直後こそ、知名度や存在感に対する批判がありましたが、昨年からX(旧Twitter)の運用を変え、自分の言葉で積極的に発信するようになり、支持を集め始めています。安倍派の裏金疑惑が深まる中、立憲民主党への期待感が高まり、政権交代が可能な野党の受け皿として伸びていくのかどうかがポイントとなりそうです。

松田氏「政党支持率が上がれば衆院選で伸びなかったとしても続投となるでしょうし、伸びなければ衆院選の前にごたごたするでしょうね」

もう一点、松田氏は、立憲民主党代表には、野党における選挙協力の難しさがあると指摘します。

次の衆院選は外交安全保障に注目が集まることが予想され、小選挙区制での戦いで、共産党との距離感が出ることが予想されます。泉代表は、難しい舵取りを迫られそうです。

なお、泉氏以外の有力候補では、前回話題になった小川淳也氏がいますが、松田氏は代表はある程度長く続いたほうが、知名度や存在感が増すとし、短期間に党代表が変わることへの疑問を呈します。

いずれにせよ、各党の代表選挙が行われる年に、衆院選が行われる可能性が高いという巡り合わせが、予想を難しくさせることは間違いありません。

松田氏「振り返ると、2024年は日本政治の大きな転換点の1年と言われるかもしれません」

自民党総裁選は解散総選挙次第 勝敗ラインは?

続いては9月の自民党総裁選です。

まずは岸田氏が続投するかどうかは、解散総選挙次第と言えるでしょう。

解散総選挙が総裁選より前に岸田総理のもとで行われ、そこで自民党が単独過半数割れしたり、大きく議席数を減らしたりするようなことになれば、岸田氏が次の総裁選で勝つのは難しい、とは言いますが……

松田氏「なかなかね、自分で解散して勝つのは、非常に難しいんですよ」

平成以降、自ら衆院を解散して選挙に勝ったのは、小泉純一郎氏、安倍晋三氏、岸田氏のみ。

解散総選挙になった場合、負け方によっては、岸田氏は責任を取って総裁を辞任することも考えられますが……

松田氏「ただ、今のところ自民党が単独過半数割れに行くほど大負けする感じは、個人的にはないんですよね」

2009年の政権交代の時は、衆院選直前に、すでに民主党の支持率が自民党を上回り、無党派層が減った状態にありました。しかし現在は、自民党の支持率が30%下回ったことが取り沙汰されていますが、投票に結びつきにくい無党派層が増えただけで、野党の政党支持率が上がっていないことが2009年との大きな違いだと松田氏は分析します。

「政治不信が高まると、投票に行かない」、有権者が積極的に応援できる野党が見つからなかった結果、自力で自公が勝つことさえも予想できる、と松田氏はコメントします。

そんな自民党の勝敗ラインは、表向きは自公で過半数、与党で勝つ、自民党内部では単独過半数割れのあたりが、岸田総理の責任問題を問われるあたりではないかと松田氏は述べました。

もちろん、安倍派、二階派の裏金問題がどれくらい大きく影響するかも、予断を許しません。

ポスト岸田は誰?

MC鈴木「総裁を変えた場合は、どのかたが有力ですか?」

「うーん……難しいねえ」と腕を組む松田氏。

自民党総裁の仕組みは、自民党の国会議員が投票する議員票の割合が高いため、地方の党員票で人気を集めるより、議員票をしっかり取れる候補が有力となります。

では、自民党内での議員票を一番取りやすい人は誰になるのでしょう。

派閥の長であり、現在幹事長として辣腕を振るう茂木氏が、一番ポスト岸田に近いとささやかれています。続いては河野氏。無派閥グループ、菅グループとも「神奈川連合」とも言われるグループが、前回以上の票を取る可能性があります。

MC鈴木「河野さんが麻生派から推される可能性は」

松田氏「今のところは低いんじゃないかなあ……茂木さんと麻生さんの関係がそれほど悪くないし」

MC鈴木は、安倍氏が安倍派内に推す人を作ると、そちら側に求心力がよってしまうことから、前回高市氏を推したのではないか、と推測します。同様に、麻生氏が河野氏を推さないのも、派閥の影響力が移動することを懸念しているのでは……との仮説を提示しました。

松田氏「そういう力学はさまざま働いていると思いますよねえ……とはいえ麻生さんと河野さんの関係も長いですからねえ。」

岸田総理がいた宏池会では、林氏、上川氏の名前が取り沙汰されています。順番から言えば林氏ですが……

松田氏「亀井静香さんが、『次の総理は上川さんか高市さんだ。こういうときは女性がやるに限る』予言されてましたけど、いやそれは(笑)」

世代交代に加え、衆院選によって大きな変化が起こりそうな、各党の代表選挙。こちらにも注目していきたいと思います!

動画本編はこちら!

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