【日経新春杯/全頭診断】菊花賞出走4歳一角に「3.0.0.0」 京都芝の馬場傾向で浮上の穴馬は

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今週は京都競馬場で、第71回日経新春杯(GII、芝2400m)が行われる。今年から舞台が京都競馬場に戻っての施行。菊花賞出走の4歳勢をはじめとした楽しみなメンバーが覇を競うハンデ重賞だ。

ここでは馬券検討のヒントとして、出走馬14頭の全頭診断を行う。

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■日経新春杯2024 出走予定馬全頭診断

・インプレス

上がり3F32秒8で制した尼崎S、上がり3F33秒4で3着の新潟記念と上級クラスでの好走は上がりの速い競馬に集中。時計・上がりともにかかる今の京都芝が合うとは思えない。

・カレンルシェルブル

芝2400mを使われるのは約1年半ぶり。追走が楽になるのはプラス材料だが、春-秋に好走が集中している馬だけに冬競馬の芝2400m替わりでの一変は難しい印象だ。

・サヴォーナ

前走菊花賞は早めに仕掛ける形での5着。芝2600mを逃げ切ったようにスタミナ豊富な馬で、斤量56キロもサトノグランツとの比較で言えば恵まれた部類に入る。京都開催の過去10年の日経新春杯において、前走菊花賞5着以内から臨んだ馬は【3.0.0.0】。ノーマークにはできない。

・サトノグランツ

昨年は京都新聞杯・神戸新聞杯と重賞2勝。実績は4歳馬のなかでは最上位級と言えるだろう。未勝利ではドゥレッツァ、エルトンバローズといったのちの重賞勝ち馬と接戦。数少ない京都芝外回り勝ち馬である点も好材料だ。勝負どころでズブさをのぞかせる点、絞りづらい時季の冬競馬で500キロ台の馬体重が見込まれる点が気がかりも、一定の評価は必要か。

・シンリョクカ

3歳以降は馬券外が続く馬。古馬相手の掲示板内もなく、苦戦は免れられないか。

・ディアスティマ

目黒記念2着、日経賞3着と長距離での実績が目立つディープインパクト産駒の1頭。不本意な位置取りに終わった前走アルゼンチン共和国杯は参考外で、すんなり先行できれば巻き返しはありそうだ。高齢馬にとって相性の良くないレースだが、3着のゾーンとしてケアしたい。

・ナイママ

フタ桁着順が続く現状。厳しい。

・ハーツイストワール

左回りで10連対の実績が示すとおりのサウスポー。右回り替わりでの強調材料は乏しい。

・ハーツコンチェルト

昨年春は青葉賞2着、日本ダービー3着と大舞台で好走。オール野芝の新馬戦、春・秋の東京芝と馬券内はすべて左回りの高速馬場というわかりやすいタイプだ。翻って、今の京都芝は時計・上がりともにかかるタフな馬場コンディション。この馬向きとは思えず、差し損ねの可能性は考えておきたい。

・ヒンドゥタイムズ

大阪城S、小倉大賞典とオープンクラスでの2勝はいずれも芝1800m。芝2400mのここは適性外と思われるかもしれないが、2度使われた京都大賞典はいずれも4着と一定レベルの適性を示していた点は見逃せない。12-2月の冬競馬は【3-0-2-2】と好走多数。前進の可能性は十分だ。

・ブローザホーン

前走京都大賞典はまさかの競走中止。その影響は気になるところだが、洋芝での連続好走、道悪で圧勝の近走内容は今のタフな京都芝適性を間接的に証明するものだ。芝2200m超での馬券外は前述の京都大賞典と道中通過順【4→4→6→10】とスムーズさを欠いた海の中道特別に限定。メンバー中数少ない京都芝外回り勝ち馬である点も評価を押し上げる。

・リビアングラス

2走前の菊花賞は早め先頭の積極策で4着。3走前は1000m通過58秒9のハイペースを逃げ切っており、スタミナには十分な自信を持つ1頭と言えるだろう。未勝利戦、1勝クラスの勝利は道悪と時計のかかる馬場も問題なし。関東圏への輸送で馬体重を大幅に減らしたところからのリカバリーがポイントも、積極的な騎乗が持ち味の田口貫太を起用したここでの巻き返しを警戒したい。

・リレーションシップ

2年以上にわたって馬券内から遠ざかる現状。厳しい。

・レッドバリエンテ

前走アルゼンチン共和国杯は勝ち馬と0秒4差。直線で進路確保に手間取った点を考えれば悲観する内容ではないだろう。非関東圏では【4-2-2-1】とほとんど大崩れなし。休み明けに強い中内田厩舎管理馬でもあり、軽視は禁物だ。

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UMAJIN.netより一部編集・転載(2024年1月11日 18:02公開の記事

著者プロフィール

田原基成(たはらもとなり)●競馬評論家
競馬予想の魅力を世に発信し続ける「競馬ストーリーテラー」。予想に対して謎ときに近い魅力を感じており、ローテーション・血統の分野にて競馬本を執筆。現在はUMAJIN内「競馬サロン」にてコラム【競馬評論家・田原基成のいま身につけるべき予想の視点】 執筆中。『SPREAD』ではデータ分析から読み取れる背景を紐解き、「データの裏側にある競馬の本質」を伝えていく。

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