旧N党代表権争い 斉藤健一郎参院議員が大津綾香氏と交渉→決裂も去就は示さず 浜田聡参院議員はすでに離党

斉藤健一郎参院議員(43)が10日、国会内で行われた政治団体・NHKから国民を守る党の総会に出席。みんなでつくる党(旧政治家女子48党)の代表権を争う大津綾香氏(31)とこの日、Zoomで会談したことを明らかにした。

斉藤氏と大津氏は、党の代表権を争い係争中だが、総務省は現時点で大津氏を党首としている。国政政党への政党交付金(助成金)は、1月1日現在で所属する国会議員の数などに応じて支出されるため、大津氏は斉藤氏、浜田聡参院議員(46)に党に在籍届を提出するよう求めていた。

浜田氏はすでに、自身のYouTubeチャンネルでみんなでつくる党を離党する意思を示している。斉藤氏が在籍届を出さないと、みんなでつくる党は国会議員在籍数がゼロになり、2023年は3億3443万円あった政党助成金が受けられなくなる。代表権争いで斉藤氏に軍配が上がっても、党運営はさらに厳しくなる。

約11億にものぼる党の債務返済を第一に考え、斉藤氏は、みんなでつくる党に残留するための条件を提示。90分ほど話し合いの場を持ったが「結論から言うと、何も進みませんでした」と、決裂したことを報告した。16日までに総務省に書面を出すかどうかの最終判断を迫られるが「今現在、離党も残留も決めておりません。まだ決めかねている状態です」と明らかにした。

党残留の条件として、斉藤氏は大津氏側に9つの条件を提示した。未払いになっている党職員の給与を支払うことや政党交付金のうち議員に振り分けられたものの決裁権を斉藤氏が持つこと、政党交付金は斉藤氏、大津氏両者の決済を必要とすること、斉藤氏が党役員に就任することなどを要望したが、全てはぐらかされるか拒否されたという。

斉藤氏は「この条件がイエスであれば、即私は党に残留しますと決断できました。債権者のためにその条件をのんで、政党交付金を受けてそれを原資に返済していく、そうしましょうという話を、きょうは決着をつけたかった。結局は書面でくださいという形で、そもそも聞いてもらえなかった。回答は後でLINEで来た」と説明した。

16日のタイムリミットまで熟考するとした斉藤氏は「いったい何様のつもりやねん。国会議員もおらず国政政党の代表だと。数字も見せないと。人の不正を暴くと言っておきながら、自分が不正できる状態を作り上げていくのか。大津さんはしきりに信用できないという言い方をしました。大津さんの信用の定義ってなんですか。一緒にやっていけるのか、非常に疑問を抱いている」と怒りをぶちまけた。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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