教育無償化を実現する会・前原誠司氏 無償化法案を通常国会で提出へ「単独では出せない」他党との協力強調

2023年12月13日に結党した「教育無償化を実現する会」代表の前原誠司衆院議員(61)が11日、国会内で初の定例会見を行った。

前原氏は「我々は党名の通り、教育の無償化、教育予算の倍増、奨学金の返済免除。この仕組みをつくることが日本再生のセンターピンであるということで党を立ち上げました」と党是を掲げた。

26日に召集される通常国会に向け「最も我々のレゾンデートル(存在意義)である教育の無償化についてはどう実現をしていくのか。立法作業に取りかかりたいと考えております。教育の無償化を実現するプログラム法なのか基本法なのか、あるいはトータルの体系立った法律なのか。何らかの形で、通常国会に法案を出したいと思っております」と述べた。

政府は少子化対策の一環として、2025年度から子どもが3人以上いる多子世帯については所得制限なしで大学授業料を無償化する方針だが「1人が扶養から外れるということになれば、3人以上子どもがいても2人が大学になっていなければ授業料免除は受けられない。風呂敷を広げるという言葉がありますけれども、風呂敷を畳んで言っているような話」と疑問を呈した。

前原氏は「文科省や内閣府からヒアリングを行いましたけど、なんで3人以上なんですかということを言っても明確な答えがありませんでした」と指摘。「少子化に対して切迫した危機感を持っているのであれば、1人から無償化にすべきであるというのが我々の考え方。しっかりと対案を示さなきゃいけない」と語気を強めた。

教育無償化を実現する会の所属議員は前原氏のほか、嘉田由紀子参院議員(73)、徳永久志衆院議員(60)、斎藤アレックス衆院議員(38)、鈴木敦衆院議員(35)の5人。議員立法には衆院20人、参院10人の賛成者が必要で「5名ですので、どこかの政党と協力しなければ法律は出せませんので、他の野党と協力をしながら、法案をまとめ提出にまでこぎつけたい」とした。

協力したい政党を問われた前原氏は明言を避けたが「徳永幹事長が中心となって、いろんな話し合いを今している段階。単独では法律を出したくても出せないというところは我々は十二分に認識をしている。何らかの良い知恵と、他党との協力が必要」と強調した。

(よろず~ニュース・杉田 康人)

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