小田川河川敷 樹林化防止へ活用を 真備、国交省が住民や団体募る

草木が生い茂る小田川河川敷。活用する住民らを国土交通省が募っている=7日、倉敷市真備町妹

 国土交通省高梁川・小田川緊急治水対策河川事務所は2018年の西日本豪雨で決壊した倉敷市真備町地区の小田川について、河川敷を広場などとして活用する住民や団体を募集している。一帯では草木が生い茂って川の流下能力低下を招く「樹林化」防止のため国交省が豪雨後に樹木を伐採したが、河川敷の活用を通じて再び繁茂させないようにし、氾濫の抑止につなげる。

 小田川の決壊によって甚大な浸水被害を受けた真備町地区では、住民から河川敷の樹林化が増水時に水の流れを妨げ、被害の拡大を招いたとの声が根強くある。国交省はこれまで決壊との因果関係を認めていないが、越水のリスクを低減するため活用主体の公募を決めた。

 対象の河川敷は真備町川辺、箭田、妹などの計10カ所(約1万3千~7万5千平方メートル)。公園やスポーツ、キャンプ用の広場をはじめ、防災訓練、自然観察、飼料用の採草地などとしての活用を想定しており、住民や事業者、地方公共団体といった主体を募っている。選定後は河川占用の手続きを経て今春からの活用を見込む。設備類の設置も許可を得れば可能だが、ベンチや仮設トイレ、柵などの速やかに移動できるものや増水時に流出の恐れがないものに限る。

 国交省は豪雨発生直後に真備町地区の小田川河川敷約32万3千平方メートルで緊急的に伐採を済ませた。その後も重機で幼木を踏み倒すなどしているが、再び生い茂っている箇所もある。緊急治水対策河川事務所は「防災の観点に加え、住民に広く川に親しんでもらうきっかけにもなる。さまざまな利用ニーズを掘り起こしたい」とする。

 同事務所(086―697―1022)のホームページから入手できる応募様式に利用計画などを記入し、31日(当日消印有効)までに郵送かファクス、メールで申し込む。

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