ローリング・ストーンズ、2,000人の会場で行われたライブが映像と音源にて発売決定

The Rolling Stones - Photo: Evan Agostini/Ima/Getty Images

ザ・ローリング・ストーンズ(The Rolling Stones)の過去のアーカイブから新たなライヴ・アルバム『Live At The Wiltern』が2024年3月8日に様々なフィジカル・フォーマット、デジタル・ビデオ、オーディオ・フォーマットでリリースされる。

アナログ盤は、通常盤ブラック・ヴァイナル3LP、限定盤ゴールド・ヴァイナル3LP、限定盤ブロンズ&ブラックのマーブル・カラーヴァイナル3LPの3種類が登場する。

<トレイラー映像:The Rolling Stones - Live At The Wiltern | Trailer>

ザ・ローリング・ストーンズは、結成40周年を記念し、2002年から2003年にかけて、アリーナやスタジアム、劇場公演を含む計117日間という気の遠くなるような日程の“リックス・ワールド・ツアー ”を敢行した。

2002年11月22日、バンドは、満員のウィルターン・シアターでの公演のためにロサンゼルスに到着し、その親密な環境にぴったりのレア曲満載のセットでファンを楽しませた。このウィルターン・シアター公演では、バンドのヒット曲に加え、「Stray Cat Blues」「No Expectations」、そしてこの日のショーのオープニングを飾ったソロモン・バークがゲスト参加した「Everybody Needs Somebody To Love」のカヴァーなど、めったに演奏されない名曲も披露された。

『Charlie’s Good Tonight: The Authorised Biography Of Charlie Watts』の著者として知られるポール・セクストンによるライナーノーツには、バンドがウィルターン・シアターでのパフォーマンスに至った経緯が次のように記されている。

「ミック(・ジャガー)の提案により、リックス(・ツアー)の特注スケジュールは、スタジアム、アリーナ、劇場の日程を組み合わせた、ほとんどのバンドが実現できない、あるいは考えもつかないような、進取の気性に富んだものになった。多くの主要なツアーが採用している一律のアプローチを巧みに避け、効果的にその仕事量を3倍に増やしたストーンズと彼らの熱心なクルーたちは、この広大なツアーに出発する前に、120もの膨大な曲数から、会場のサイズに応じてセットリストを厳選した、3つのツアーを一つに構築することに取り組んだ」

ロニー・ウッドは、ツアー直前のトロントでポール・セクストンに、一夜から次の夜への福引箱のような予測不可能な要素についても明かしていた。

「“Exile On Main St.”の全曲、“Some Girls”と“Black and Blue”のほぼ全曲をリハーサルしたんだ。“Beggars Banquet”以降の曲は何でもね。選曲の余地はそれだけ広範囲なんだ。ツアー中ずっとお決まりの内容でショウをやりたくはなかった。思いもよらない曲もやりたかったんだ。(トロントのクラブ公演では)いくつかの曲を試してみてしっくりきた。未知の領域へ少し踏み込むことができるようになったし、観客もそれを楽しんでくれた。今はすべてによりリラックスして、余裕をもって臨めている」

ミック・ジャガーもまた、多層的なリックス・ツアーの準備について、ポール・セクストンにこう語っている。

「今やっていることをやる理由のひとつは、観客にとってもバンドにとってもライヴをより面白くするためなんだ。セットリストについては、これまで以上に考えるようになったよ」

また別のインタビューでは、小規模な会場でのショーがフロントマンとしての彼にどのような影響を与えるかについて、次のように語っている。

「パフォーマーとしてよりも、シンガーとして、俺はより情熱的なるんだ。ジェスチャーがより重要になる。それに、大きな会場ではできない曲もある。たとえば、“Stray Cat Blues”は俺が特に気に入っている曲ではないけれど、ウィルターンではとてもうまくいった。また、“That’s How Strong My Love Is”のようなソウル・チューンからは、スタジアムでは感じられない激しさが生まれることがある」

Written By Tim Peacock

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ザ・ローリング・ストーンズ『Live At The Wiltern』
2024年3月8日発売

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