清酒「敷嶋」を製造する伊東株式会社（愛知県半田市）の旧酒蔵内に、歴史的複合施設「伊東合資」が2024年1月20日（土）にグランドオープンします。運営するのは伊東家9代目の伊東優氏が代表を務める株式会社亀崎Kamos。地域の新たなランドマークとなる「伊東合資」を訪れてみてはいかがでしょうか。
235年の歴史を紡ぎ、地域の新たなランドマークへと再生
かつて醸造業、海運業、漁業で栄えた半田市・亀崎。1788年創業の伊東合資会社は、清酒「敷嶋」で知られ、大正12年には名古屋税務監督局管内醸造家番付（東海四県＋新潟県、長野県）で唯一の横綱蔵として評価され、中部地方最大級の規模を誇りました。
時代の変遷とともに清酒需要が減少し、伊東合資会社は2000年に廃業。借金返済のために売却された本蔵を含めた多くの土地や建物を、9代目当主の伊東優氏が2021年に買い戻し、酒蔵復活に向けた一大プロジェクトをスタートさせました。
主に明治時代に建てられた旧伊東合資会社は、江戸時代から昭和にかけての日本建築の美しさを今に伝え、現代建築では造ることのできない壮大な空間を醸し出しています。日本の伝統的建物が減少する中、木造建築物を残すことは後世に文化を伝える上でも重要であるとの思いから、酒蔵の役割を超えて地域の文化と歴史を発信する新たな歴史的複合施設として再生されました。
レストランやカフェ、ショップが入る「伊東合資」をチェック
ここからは「伊東合資」に出店予定の、レストランやショップなどをご紹介します。
「Restaurant gnaw（ノー）」は、“食べたい食材や使いたい食材“を買うのではなく“目の前にある収穫出来る食材”だけで作る、をコンセプトとする「知多半島のリアルな旬」を提供するレストランです。建物の外装はそのままに、内装も極力そのまま活用し、「知多半島」を五感で体験しながら多種に渡る皿とそれとペアリングされた飲み物を楽しむことができます。オーナーは半田市の元「Re Chimique」の2人で、アルコールはもちろん、ノンアルコールのペアリングも提供し、お酒を飲めない人も特別な時間を過ごすことができますよ。
・コースの開始時間は18時半
・おひとり様19,800円（税込）
・定休日は日・月
予約限定のため詳細は公式HPをご確認ください。
旧槽場（お酒を搾っていた場所）に位置する「Sake Cafe にじみ」。飲み物と料理が口の中で混ざり合い、味がにじみ合う。そして虹のように波のように様々な味が押し寄せるということから名付けらました。
「ペアリング」をより日常的に体験できるよう、酒蔵ならではのお酒のペアリングはもちろん、ノンアルコールドリンクと料理の組み合わせも楽しむことができます。目の前には広場を改装した庭と旧酒蔵の黒壁が広がり、優雅なひと時を過ごすことができます。メニューはRestaurant gnaw監修のもと、ペアリングランチ、カフェタイム、ディナータイムにはビストロを味わうことができます。
・営業時間は11時～21時予定
・月曜日定休
「蔵のお店 かめくち」は元々銀行だった旧事務所を活用。1910年にロンドンで行われた「日英博覧会」や1915年「サンフランシスコ万博」の賞状をはじめとした、「ありのまま」の明治・大正時代の雰囲気を残した内装が特徴です。「酒蔵がある街でよかった」をテーマに、お酒や総菜、敷嶋を使ったスイーツの他、醸造で栄えた知多半島の醸造物など、酒蔵から発信される文化や伝統を反映した商品が提供されます。
・営業時間は10時～18時予定
・月曜日定休
今後、普段は公開していない昔の酒蔵をガイドが案内するツアーなども実施予定のため、気になる方はチェックしてみてください。
伝統技術を間近に見て体験できる場所
地域の「営み」である酒蔵の復活、建物の買い戻し・改修に踏み切った伊東家9代目・伊東優代表取締役によると、「まず自分たちが先陣を切って行動することで、再び地域をはじめ、色んな方が集まる街になるのではないか」とのことです。今回、改修にあたり「できるだけ昔のやり方で直してほしい」と大工さん・左官屋さんにお願いしたそう。伝統的な技術を持つ職人が減っていく中、子どもたちや地域の人が「伊東合資」という施設を通して昔ながらの鎧壁やなまこ壁などの技術に触れ合ってほしいという思いがあったといいます。「その体験ができる場所として認知されることで、かつて栄えた亀崎に懐かしい、だけど新たな価値が生まれ、再び時が動き出すきっかけになることを願っています。」とメッセージを寄せています。
「伊東合資」施設概要
運営会社：株式会社亀崎Kamos
住所：愛知県半田市亀崎町9-111
定休日：月曜 ※レストランやショップにより異なる場合があります
詳しくは伊東合資公式HPにてご確認ください。
伊東株式会社の詳細はこちら。
※掲載情報は公開日時点のものとなります
