茨城・筑西初の義務教育学校 明野五葉学園4月開校 独自教科 明野未来デザイン科創設

明野五葉学園の前期課程用の新校舎=筑西市倉持

茨城県筑西市で初の義務教育学校「明野五葉学園」が4月、明野地区に開校する。小学校5校と市立明野中(同市倉持)を統合し、小中一貫教育を実施する。明野中の敷地内に前期課程(1~6年)の新校舎を整備し、後期課程(7~9年)には既存校舎を活用する。国の指定を受ける「教育課程特例校」として、独自の教科「明野未来デザイン科」を創設。9年制を生かした特色ある教育を目指す。

児童生徒数は開校時、926人の予定。県教委によると、県内5番目の規模となる見込みで、義務教育学校としては県内16校目。

市教委によると、新校舎は鉄筋コンクリート3階建て、延べ床面積7466平方メートル。特別教室のうち、図書室の機能を持つ「メディアセンター」は蔵書数が上限2万冊。大型モニターを備え、他校とのオンライン交流や校内行事のライブ視聴が可能という。

新校舎に隣接して前期課程用の体育館も新設する。鉄筋コンクリート(一部鉄骨造り)平屋建て、床面積989平方メートル。既存校舎は職員室を改修し、前期課程と後期課程の交流スペースとする。全体工事費は36億8612万円。

教育活動の柱として、「郷土愛」「キャリア教育」「グローバル教育」の三つを掲げる。特に関連した授業を展開する教科として、明野未来デザイン科を創設する。

キャリア教育では、2年の生活科で行う「町探検」を発展させ、知り合った人々との交流を深めることを想定。3年で模擬商店を開いたり、5年で株式会社の仕組みを学んだりと、9年制のつながりを意識した授業とする。

同科のほかにも、3年で始まる教科「外国語活動」を1、2年に前倒しすることなどを予定している。市教委の担当者は「教科のつながりと、学年のつながりを重視していく」と話した。

図書室機能を備えるメディアセンター=筑西市倉持

© 株式会社茨城新聞社