陸幕副長らの参拝、30分と計画 靖国で担当部署、防衛省調査

防衛省

 陸上自衛隊の幹部ら数十人が靖国神社を集団参拝していた問題で、陸自の担当部署が参拝は9日午後3時半から4時の30分間と計画し、小林弘樹陸上幕僚副長ら一部が公用車を使い、ほかはタクシーや徒歩で移動していたことが12日、防衛省への取材で分かった。

 防衛省は事務次官通達で宗教の礼拝所を部隊で参拝することなどを禁止。過去の通達違反には参拝を部隊としての命令に記載して公務と判断されたケースがある。今回は陸自の担当部署が参拝の実施計画を作成しており、同省は違反の可能性があるとみて、実態を詳しく調べている。

 木原稔防衛相は12日の記者会見で、憲法が国による宗教的活動を禁じていることを指摘し「誤解を招く行動は避けなければならない」と述べた。

 小林副長ら数十人は、陸自航空事故調査委員会の関係者で全員が防衛省・自衛隊の内部から参加。新年の航空安全祈願が目的だった。いずれも時間休などを取得し、制服ではなく私服だったという。

 防衛省は事務次官通達に公用車の利用などを禁じることも盛り込み、内部に周知するとしている。

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