不法移民の兄弟 謎を秘めた美女との出会い 「ニューヨーク・オールド・アパートメント」本編映像

ニューヨークの片隅で疎外されて生きる母と息子たちの痛切な葛藤と成長を、やさしいまなざしで描いた映画「ニューヨーク・オールド・アパートメント」(公開中)から、兄弟が恋する謎を秘めた美女・クリスティンと初めて言葉を交わすシーンの、本編映像が公開された。

公開された本編映像は、双子の兄弟ポールとティトが通う語学学校で、ある日入学してきた神秘的な魅力を放つ美女・クリスティンと初めて言葉を交わすシーン。彼女に興味津々な2人は、教師の「隣の人と組んで将来的に欲しいものを3つ言い合いなさい」という課題をきっかけに、初めてクリスティンと言葉を交わす。ポールの「居場所がほしい。透明人間のように扱われるのはもう嫌なんだ」という答えに心を許したクリスティンは、帰りにアップタウンに寄って行かないかと兄弟を誘う。

通りを並んで歩いていると、突然、「私の写真欲しい?」と尋ねるクリスティン。おもむろにリュックから封筒に入った写真を取り取り出し「今は見ちゃダメ。絶対なくさないでよ。私が『返して』って言ってすぐに出てこなかったら、あんた達のこと無視するから」と言いながら写真を手渡す。ポールとティトは、写真を受け取りつつも、思わず顔を見合わせる。

「ニューヨーク・オールド・アパートメント」は、アメリカン・ドリームを夢見る母と年頃のピュアな息子たちという、“大都会の弱者”である貧しい移民家族に訪れた悲劇を描いた作品。安定した生活を夢見て祖国ペルーを捨て、ニューヨークで不法移民として暮らすデュラン一家。母ラファエラはウェイトレスをしながら二人の息子を女手一つで育て、息子たちも配達員として家計を支えるギリギリの毎日。街から疎外された自分を”透明人間”と憂う2人の息子はある日、謎を秘めた美しい女性クリスティンと出会い、恋に落ちる。一方、母ラファエラも白人男性からの耳触りのいい話に誘われ、飲食店を開業する。

監督を務めるのは、短編「ボン・ボヤージュ」が第89回アカデミー賞の短編映画賞ノミネートを果たしたマーク・ウィルソン。長編デビュー作となる本作がで、アメリカが抱える移民問題を背景に、親子の絆の物語をリアルに描きだした。実際に双子のアドリアーノ・デュランドとマルセル・デュランドが映画初出演。反骨精神を持つ移民の母ラファラを、「悲しみのミルク」などのマガリ・ソリエルが演じる。タラ・サラー、サイモン・ケザーらが脇を支える。

【作品情報】
ニューヨーク・オールド・アパートメント
新宿シネマカリテほか全国公開中
配給:百道浜ピクチャーズ
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