山形市の蔵王温泉で11日朝、温泉の恵みに感謝する伝統行事「洞開(どうかい)」が行われ、旅館関係者らが三つの共同浴場を洗い清めた。
江戸時代から毎年この時期に行われ、蔵王温泉旅館組合(斉藤長右衛門組合長)から約30人が参加した。上湯、下湯、川原湯の浴場別に分かれ、浴槽の栓を意味する「洞」を抜いた後、ブラシやタオルで底にたまった湯の花を丁寧に落としていた。
引き続き、上湯共同浴場前で神事が行われ、関係者が玉串をささげて新年の商売繁盛などを祈った。
同組合によると、年末年始の蔵王温泉への宿泊者はインバウンド(訪日客)の回復が下支えとなり、暖冬による雪不足の影響は限定的という。斉藤組合長は「湯神様の力を借り、さらに多くのお客さまを迎えたい」と話していた。