【MLB】 上沢直之がレイズとマイナー契約 故障者多く昇格のチャンスも レイズ得意の"魔改造"に期待

写真:上沢が加入するレイズ

日本時間12日、レイズが上沢直之とマイナー契約(メジャーキャンプへの招待つき)を結んだことを発表した。上沢はポスティングによるメジャー挑戦を目指しており、今日12日が交渉期限となっていた。

無名の投手を一流に化けさせる投手育成力で知られるレイズだが、意外にも現状の先発層は薄い。シェーン・マクラナハン、ジェフリー・スプリングス、ドリュー・ラスムッセンといった優秀な先発投手を昨年途中に故障で失い、オフにはエース格タイラー・グラスナウもドジャースにトレードとなったためだ。

2024シーズンの開幕から稼働できるローテの顔ぶれは、昨年fWAR(総合指標)4.8のザック・エフリンを中心に、昨夏ガーディアンズから獲得したアーロン・シバーリ、ブルペンからの転向がハマったザック・リテルが表3枚。そこにグラスナウの対価として獲得したライアン・ペピオとタジ・ブラッドリーという2人の若手有望株が加わることが予想されている。

ローテの頭数以外のデプスはというと、トミージョン手術から復帰する剛腕シェーン・バズと左腕ジェイコブ・ロペスのみ。しかも、その他に今季の開幕からチャンスがありそうな若手有望株は不在だ。上沢がスプリングトレーニングで好投できれば、故障者の穴埋めとして前半戦でチャンスを得る可能性は大いにあるだろう。スプリングスとラスムッセンが復帰予定の後半戦までにアピールできるかが鍵となってくる。

上沢は契約の公式発表の中で「レイズでプレーすることを決めたのは、その成功と投手育成の豊かな歴史にとても興味をそそられたからです」とコメント。レイズは高い投手育成力で知られており、近年でもスプリングスやリテルといった、無名のリリーバーが先発投手として開花する事例には事欠かない。『ジ・アスレチック』のアナリストであるエノ・サリスによれば、上沢の4シームの縦変化量(19インチ)と回転量(2650RPM)はリーグのトップ5~10%に入る優秀な数値だという。この浮き上がるような4シームを活かし、レイズが上沢を"魔改造"する可能性もあるのではないだろうか。

© 株式会社SPOTV JAPAN