滋賀県栗東市が整備する産業拠点「栗東ニューテクノパーク」の土地売買を巡る贈収賄事件で、収賄罪に問われた同市元産業経済部長の男（61）と、贈賄罪に問われた地権者団体「六地蔵山管理委員会」元代表の男（73）の判決公判が12日、大津地裁であった。西脇真由子裁判官は、元部長に懲役2年6月、執行猶予3年、追徴金1050万円（求刑懲役2年6月、追徴金1050万円）、元代表に懲役1年6月、執行猶予3年（求刑懲役1年6月）を言い渡した。
判決によると、元部長は産業経済部政策監や同部長だった2021年7月から昨年2月の間、同パーク内の土地売買について、同委員会の地権者に有利な取り計らいをしたことへの謝礼と知りながら、元代表から5回にわたり現金計1050万円を無利息・無担保で借りた。
西脇裁判官は判決理由で元部長について、市の要職に就いていながら元代表に借金を申し込んだ点を「職務の公正と社会の信頼を害した程度は大きく悪質」と指摘。「収入を超える支出をする中で金に窮し、借金の返済資金や生活費を得る目的で犯行に及んだ」と非難した。元代表については「供与した賄賂は相応に大きい」とする一方、元部長が犯行を持ちかけており「酌むべき事情が認められる」とした。
